冬めく
・日時 平成21年11月22日(日)11時〜
・場所 仙台市青葉区輪王寺
・主催 東北大学学友会茶道部 平成21年度定例茶会
■濃茶席
床 泉田凌雲老師筆 白珪尚可磨
花 加茂本阿弥椿
花入 砂張
香合 織部 はじき
茶杓 誡堂和尚作 銘 洗心
お軸の白珪、そして花の本阿弥椿のふっくらとしたまん丸の蕾が印象的なお席でした。加茂本阿弥椿は純白の一重抱え咲きで大輪の威厳に満ちた椿です。その膨らみは太い筒しべを想像させてくれるには十分な膨らみです。
主茶碗の御本も手にしっくりと手に収まる幸せな感覚のお茶碗。
替は大振りの志野。主茶碗である御本の洗練された形と、志野の重厚さとの対比がなかなか面白いものでした。
主茶碗でいただいたお茶は「仙寿の昔」
菓子は玉澤総本店製「初霜」
今日の仙台は朝方寒くてまた霜が降りました。それにあわせたかのように落ち葉の上にも霜が降りたような主菓子です。
蓋置の青竹引切は、亭主自ら理学部の竹林から今年も切ってきたばかりの蓋置。菓子器は備前手付で先輩たちから寄贈されたものでこの季節にはぴったりの色合いでした。
■薄茶席
床 上野道善和尚筆 円相 喫茶去
花 嵯峨菊、小坊主弟切草照葉
花入 伊賀
茶杓 太玄和尚作 銘 瑞雲
入れられた花は黄色の嵯峨菊、花火を見ているような見事なものでした。小坊主弟切草の赤い実はこれからクリスマスの季節にあわせてよく見かけるものですが、照葉として拝見するのは初めてのこと。悲しい弟切草(おとぎりそう)の名前の由来を背負いながらも、こうして照葉として私たちを楽しませてくれます。
干菓子は玉澤総本店製「冬めく」
濃茶席の主菓子が初霜、そして薄茶席では雪の結晶と羽ばたく鶴の煎餅。この干菓子が出された時、もうすぐ冬がやってくるのだと感じ取ることができたのです。
茶道部の部員は31名。
毎年茶道部の先輩方に招待状が届けられます。
お道具は代々受け継がれてきたものや、先輩方から寄贈されたものがお席に並びます。そのお道具を中心にして思い出話しに花が咲き、和やかな雰囲気の中楽しいひとときを過ごすことができたのです。お道具を通して、年代を超えたつながりを確かめ合うお席もまた楽しいものです。
今年のテーマは「丸」ではなかったでしょうか。
来年のお席も楽しみでございます。
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「紅」
秋も深まってくると、街のいたるところに赤い色が目についてきます。
特に樹木などの紅葉は身近なところでも。
「紅葉」
秋になると紅葉という言葉を子供の頃から何気なく使ってきました。でも「紅」を一つの文字としてみた場合、なぜ紅という字が「いとへん」なのか、これまで考えることなどまったくありませんでした。でもようやくこの年になって、少しではありますが調べてみましたのでご紹介申し上げます。
「紅」
字形としては意味を表わす「糸(べき)」と音を表わす「工」からなる形声字。
「糸(べき)」は帛(はく)の意とあります。
「糸」字は中国では細い絹糸のこと、帛は平織りの絹で最初は桃色の絹の平織りであったようです。お茶のお稽古の時、女性の皆様が使っている帛紗は表裏二枚合わせの方形の赤い絹布。
読み方としては、コウ、べに、くれない。鮮やかな赤い色を指し、真紅や鮮紅色といわれるほど鮮やかな赤が基調となっています。
紅を使い気になった言葉をいくつか探してみました。
・紅雨(こうう) 花に注ぐ雨のこと、赤い花の散るたとえ
・紅顔(こうがん) 元気な少年の顔、美人の顔
・紅玉(こうぎょく) 美人の顔や肌の美しいたとえ
・紅雲(こううん) くれないの雲、花の咲きみだれるさま
・紅脂(こうし) 女性の化粧、美人
・紅紫(こうし) くれないとむらさき、転じていろいろな花の色
・紅雪(こうせつ) ももの花の形容に用いられる
・紅潮(こうちょう) はじらいや酒のために顔が赤くなること
・紅唇(こうしん) 美人の唇
・紅頬(こうきょう) 赤いほお
・紅女(こうじょ) 機織り女
・紅泉(こうせん) 赤い花が映ってくれない色に見える泉
・紅黛(こうたい) べにとまゆずみ、転じてお化粧のこと
・紅粧(こうしょう) 美人のよそおい、化粧した美人
・紅鉛(こうえん) おしろい紅粉
・紅筆(べにふで) 口紅をつけるときに使う筆
・紅日(こうじつ) まっかな太陽
・紅旭(こうきょく) まっかな朝日
・紅箋(こうせん) 詩などを書くべに色の紙
・紅梨(こうり) りんごのこと
・紅友(こうゆう) お酒の別名
・紅灯(こうとう) 赤ちょうちんのこと
もう一つありました。
・紅一点(こういってん)
青い草むらの中に咲いている一輪の赤い花
こうして見てみますと、圧倒的に女性のそれも美人に関する言葉やお化粧のこと、他には花や輝く太陽などとして出てきます。
また紅色は魔除けや病を封じてくれる色とも言われ昔から使われてきました。
あなたにとって「紅」はどんな色でしょうか、そしてどんな思い出がありますか。
つい先程山形の兄から写真が届きました。
山形市内にあるもみじ公園の紅葉の風景で、ちょうど今が紅葉の見頃とのこと。
この公園内にある公共茶室の名は「宝紅庵(ほうこうあん)」
日釜や月釜そして市民茶会などで多くの市民の皆様が訪れるところです。
そして山形は紅花栽培が今でも盛んなところです。
紅色の重なる数だけそれぞれ表情があるもの、人も同じまた人生も同じとみてよいものなのでしょうか。
■和の学校 「色の万華鏡」 (紅花染) をご覧ください。
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落葉
すっきりとしたい時とはこんなだろう裸木の下で我一人立つ
H21.11.8 冨樫 通明
研究会でしばらく正座をしていたせいか、帰る途中でも足の痺れがまだとれない。それに最後の科目の貴人清次濃茶付花月の途中で、分らぬことがあってずっとそれを引きずりながら歩いていた。
歩きながらずっと昔こんな感じがあったことをふと思い出した。
微分積分を初めて教えてもらって理解できずにいた頃。
でもようやく微分は点のようなもの、そして積分は点と点との間の区間のようなものだと感じた時のことを。
落葉は砕け散った数字に見えてくる。
落ち葉の中を、銀杏色したトレーナーの男の子が走り抜けてゆく。
日曜の午後、勝山公園の中央にある大きな欅の木の下で空を見上げてみた。
あぁ、もうすぐ冬が来るのだ。
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立冬の頃に
恋の色染めつくされて紅葉燃ゆ
逆光に紅葉の色は艶を増す
H21.11.07 冨樫 通明
今日は立冬、これから立春までが暦の上では冬。
とはいえ仙台は穏やで温かな小春日和となりました。
お茶のお稽古も早く終わったので、カメラ片手にいつもの散歩道。
通りのメタセコイアの木々はすっかり紅葉してきました。
もうしばらく秋を楽しめそうです。
今日のお稽古はたった一人だけ。
半年ぶりの炉の後炭手前、行之行台子そして薄茶点前。
明日は宮城支部道場で開催される今年最後の研究会に参加してまいります。
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紅葉の賀(もみじのが)
掬う手の水に影見る紅葉かな
ゆっくりと落ちてゆくさま蔦紅葉
H21.11.3 冨樫 通明
今日訪れたのは仙台市青葉区川内にある東北大学植物園。
同園内で開催されている「紅葉の賀」の会場で、今年も野点席がありましたので伺ってまいりました。
会場まで来る途中、木々の幹にも紅葉の姿。
まるで一枚の絵、そして落葉のスローモーションを見ているような光景に出会いました。
■東北大学植物園 「紅葉の賀」 野点席
席主 淡交会宮城支部 岡崎 宗澄氏
床 泉田凌雲老師筆 短冊 一福延寿
花 嵯峨菊、中川野菊、真弓
花入 野路籠
釜 四方 苫屋
水指 唐銅 あこだ
薄器 鹿ニ紅葉蒔絵 中棗
茶杓 宙宝宗宇作 銘 多津田
茶碗 絵萩
替 黄伊羅保
替 色絵 吹寄せ
蓋置 竹
建水 芒絵
御茶 五雲の白
菓子 秋晴
菓子器 ねずみ志野
今朝の仙台は最低気温が3度まで下がり今秋一番の寒さ。午前中は雨も降ったことも有り、残念ながら屋内でのお席となりました。
お席には「紅葉の賀」にちなんだお道具が数多く並びました。
実際にお道具を手にとって拝見できることも有り難いことです。
その中でも大きな野路籠に入れられた秋の花々がとても印象的で今でも心に残っております。
お席には市民の皆様をはじめとして、県外のお客様や大学関係者、俳句をされる方々そして同大学の学生さんなどでいつも満席の状態でした。岡崎先生は席入されたお一人お一人に声を掛けられ、本当にお優しい先生でございます。
来年の岡崎先生のお席にはまた参加させていただきます。
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