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風の森通信 第706号


煎茶席



・日時:平成22年12月4日(日)11時30分~
・場所:仙台市藤崎デパート本館 6階美術工芸サロン
・席主:織田流煎茶道 菊地南美氏
 

 今日は備前焼吉延豊丘展の添釜に席入させていただきました。
短冊は「無事」
花は白侘助と万両、花入は備前。

 苦しさや辛さを知っている人にとって、何事も起こらない日は佳き日でありとてもありがたいこと。一日一日を無事に生きていくことが当り前のことだと考えず、恵まれた幸せな一日であったと感じとることができるかどうか。
そしてその日を続けていくことがとても大事なこと。
日々の中にも出会いがありそして別れもあるという。
前を向きながら、受け入れていくこともまた大切なことだと菊地先生からお話がありました。

色紙 吉原南波宗匠筆 「夢」

来年もまたよい年であってほしいと、色紙の前には福を呼ぶ備前焼の大きな鈴が荘られています。
お茶碗や急須そして茶筒などのお道具も備前焼が多く、使い込んでいけばいくほど味わいが出てきて、特に女性にとって口あたりがよろしいとも教えていただきました。

備前焼は水を入れても腐らず、お酒を入れておけばおいしくなると昔からいわれてきたようです。

いただいたのは蕎麦茶。
この季節いつも盛岡の東屋から取り寄せられているとのこと。
おいしいお茶は心も体も温めてくれたのです。

こうして会場は多くの参会者で終日賑わいをみせておりました。


 今日のお稽古は初炭手前、丸卓を使っての茶通箱そして総荘りでした。
今年のお稽古はあと残り二回だけとなりました。
来週は四ケ伝、再来週は花月とクリスマス茶会になります。
そして来年の初釜では亭主側の番です。
私は主菓子作りを担当することになり、今年の冬休みの宿題となりそうです。


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風の森通信 第704号


煎茶deおもてなし



■日時:平成22年11月23日(祝)午前10時30分~
■場所:仙台市福島美術館 
■席主:織田流煎茶道 菊地南美氏

 今日は仙台市福島美術館で開催されていた秋の企画展「仙台と黄檗をつなぐもの」に伺ってきました。
煎茶は江戸時代、中国から伝えられた異国情緒あふれる黄檗の文化の一つであることを学ぶことができました。
今回の企画展を拝見した後に、同時開催されていたワークショップ「煎茶deおもてなし」のコーナーにも席入させてもらいました。

軸   子戈林筆  茶歌 
 花入  旅枕     備前焼     豊丘
 花    初冬の景

 茶具
  点前盆  木地錫入菊花式     時代
  涼炉    白楽 直外翁染筆    宝山
  ボーフラ 山水染付          春峰
  水注    色絵 女人画       唐物

  茶筒    錫壷式唐草文      喜山
  茶合    楓葉柄彫         冨斉
  急須    紫交趾           二代 春峰
  茶碗    色絵干支金文字入   和善
  茶托    錫小判式唐草文     喜山

  巾筒    色絵 仏手柑図     和善
  落葉壷   栗駒やき           陶峯
  菓子    みそ饅頭         まどか荒浜製

席入が始まる前から多くのお客様が待合でお待ちでした。
菊地先生からいろいろお話をお聞きする中で、お茶の効用のお話を詳しく説明していただくことができました。
 一椀にして喉吻潤い
 二椀にして孤悶を破る
 三椀にして枯腸を捜れに唯だ文字五千巻有るのみ
 四椀にして軽汗を発し平生不平の事尽く毛孔に向って散ず
 五椀にして肌骨清く
 六椀にして仙霊に通ず
 七椀にして喫するを得ず
お茶をいただくことはただ単に喉を潤すだけでなく、肉体的にも精神的にも安定が得られ最後には仙人の境地にもなれるというものでした。現代を生きる私たちに求められてことのような気がしてなりません。平和な時代にこうしてお茶をいただけることは誠にありがたいことです。

私たちのテーブルの上には美男蔓が飾られ、お点前のお席には野牡丹の名残りの花もあって見る者の心を和ませてくれます。
お茶碗は縁起のいい蕪の絵が描かれ、そして干支の文字を一年毎に書き込んでもらったとご紹介をいただきました。先生が長年にわたって大切にされてきたお茶碗でおいしくいただくことができたのです。

唐の時代への時間の旅、中国という国への空間の旅、そして長く受け継がれてきた思想やお道具へ思いを馳せる旅、誠に楽しゅうございましたそしておいしゅうございました。

 ワークショップということもあり、同じフロアで同時に煎茶のお点前体験コーナーが設けられていました。こちらのコーナーも多くの皆様が、先生方から説明を受けながら煎茶を点てる体験をされておりました。

ご自分が点てられた煎茶もさぞおいしかったことでしょう。
「仙台と黄檗をつなぐもの」を拝見の後、おいしいお茶とおもてなしをいただきホッとしたひとときでございました。

 菊地先生には、写真撮影・掲載並びに会記の掲載のご了解をいただきましたこと、この場をお借りし厚く御礼申し上げます。


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風の森通信 第694号


宮城県芸術祭茶会


■日時:平成22年10月24日(日)
■場所:仙台市青葉区北山輪王寺 隠寮
■主催:織田流煎茶道

 第四十七回宮城県芸術祭茶会が輪王寺で開催され、今回は織田流煎茶席に伺ってまいりました。
お席は織田流煎茶道明徳会会長を長年務められた故藤井黎氏を偲ぶもので、和歌が読み上げられるなどとても印象的なお席でした。
                       
 床 
  軸
     白露は分きても置かじ女郎花心からにや色の染むらむ

                                  細川 幽斎

 秋も深まると天から光輝く白露が降りてきます。
でも白露は花を選び分けながら降りてくるわけではありません。
数ある花の中で美しい花だと思えるのは、その花だけが持つ綺麗な色や甘い香りが、体の中や心の中から意図せずしておのずからにじみ出てくるからに違いありません。
人は誰でも花なろうとするその生き方に魅力を感じるものです。
女郎花の花言葉は「美しさ」と菊地南美先生から教えていただきました。
お軸は紫式部日記に出てくる和歌で細川幽斎筆でしょうか。

  花入    大樋焼やき〆耳付
  花     斑入り艶蕗 浜菊

 枇杷床   盛物 題「三賢」

お道具の中にも和歌がありました。

 水注    和歌刻

   さす棹もなげやりぶしを歌ふなり月にうかるゝ海人の釣舟

                                   蓮月尼 

 茶ぶ台は蒔絵「草花」でそれはそれは見事なもの。
二煎の玉露は誠に甘くおいしゅうございました。
菓子は「秋の色」五色のおまんじゅうをいただくことができ、この秋を大いに満喫することができました。
菊地先生からは藤井氏の思い出をいろいろとお伺いすることができました。これまで数多くの短歌や俳句を作られたとのことでしたが、どのような歌や句を残していただいたのでしょうか。
もし、このお席に藤井先生がおられたらどんな短歌を残されたでしょうか。
菊地先生にいつかまたゆっくりお会いしてお話を伺いたいものです。


  浜菊と斑入り艶蕗動かざる五感で感じる季節の中で

                         H22.10.24 冨樫 通明


床のお花を拝見した時を思い出しながら詠んだものです。
席中での菊地先生のお話、そして煎茶をいただいているひとときはゆっくり時間が流れていきました。
時間の静と動をも楽しむことができたのです。
 今回は他に三彩流星悠丈氏席、遠州流茶道高橋宗敬氏席にも伺いました。
三彩流のお席では、会社の同僚の方がお運びなどのお手伝いを担当されておりました。来年は是非三彩流のお席に入らさせていただくことができたらと今から楽しみでございます。




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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大そして、昔からあった美しい東北の四季とそれを彩る催しを発信していきます。ドイツで生まれたVEEH HARFE(ヴィーハープ)演奏にも取り組み、癒しの音色をお届けしていきます。

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