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風の森通信 第917号


香との出会い



 写真の匂い袋は前号でご紹介させていただいたものです。
連休最後の五月六日、第二十七番札所の深堀観音堂で同行した友人が授かった珍しい金の納札に添えられていました。奉納された方は仙台市在住のS氏、七十五歳、平成二十五年四月二十九日と記されておりました。匂い袋の大きさは縦横三センチほどの小さなものです。友人の了解を得て透明なビニール袋から金の納札を取り出しお香を聞いてみました。
清々しい香りがして少しフルーティー、、、心豊かになってくるものです。
香銘はなんでしょうか?
香元はどこでしょうか?
匂い袋がビニール袋に入っていたこともあって、一年が経過しても香りがしっかり残っています。
 観音堂はほとんどが無人なので、線香を焚くときに火を使うのは火災の危険があるので、匂い袋を供えるのだと以前お聞きしたことがあります。匂い袋を手にしていると、観音堂にそして授かった人へのS氏の心づかいがうかがえます。

 お香を焚くことによって、観音堂の空間と心身を清浄する働きがあるといわれています。同時に人の心を落ち着かせる作用もあるようです。
毎週お茶のお稽古のときにも同じことをやっていました。炉でも風炉でも、炭手前の時に練香や香木を熱灰や炭の上に置き、自然に焚かれて香りが満ちてきてお茶室とそして私たちまでもが清められていきます。茶道のなかの一つの所作と、観音堂で香を焚く行為が同じことのようです。
巡礼のなかで線香を焚いたり匂い袋を置いてくるという行為は、香りを観音様に献上するということになって、一つの徳を積むことにもなるのではないでしょうか。
この巡礼で香りに出会えるとは予想だにしなかったこと。この最上三十三観音巡礼は、五感を使うことをも求められるという誠に奥深いものがあります。
これからもまた新たな出会いが楽しみです。

 お香で思い出に残っているのは、齋藤社中の初釜の時最後に源氏香を体験させていただいたこと、そして六華窯の岩井先生のご実家に伺ったとき、空薫(そらたき)を経験させてもらったことが今でも心に残っております。そして今回の巡礼での匂い袋も楽しい思い出の一つにになりました。
観音様のご縁に改めて感謝でございます。

 

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風の森通信 第916号


錦の納札(おさめふだ)


 連休後半、第五回目の最上三十三所観世音菩薩霊場巡礼に行ってまいりました。天気は両日とも快晴で、山形県の北部ではさくらんぼの真っ白い花が満開です。

 今回の巡礼で、珍しい金の納札と、初めて裂地(きれじ)が錦の納札(以下錦札)を拝見することができました。
同行した親しい友人が授かったものです。
札所に行くとまず目につくのが色とりどりの鮮やかな納札です。納札とは、巡礼の度に参拝者が堂内もしくは外の指定場所に、願いごとを書いたお札を糊などで貼り付けてくるものです。
 八~九回目→銀札
 十回目以上→金札
 百回以上→錦札となります。
最上三十三観音霊場で金や錦の納札を見つけた場合、見つけた人がそれを授かることができることになっています。お賽銭をあげ合掌していただけるもので、授かった人はお守りとして大切に保管されるわけです。
第二十七番札所の「深堀(ふかぼり)観音堂」で、友人が珍しい金の納札を手にすることができました。
下写真の金の納札は、奉納された方が仙台市若林区在住のS氏。表面には「奉納南無大慈大悲観世音菩薩」「為二世安楽」そしてS氏のご住所とお名前が記されております。


裏面には「家内安全・身体健全」「南無大師遍照金剛出羽の国最上霊場巡拝第二百八十回 平成二十五年四月二十九日、七十五歳」と記されています。表面の左上には小さな匂い袋が貼り付けてあり、おまけにビニールシートに包まれています。授かった人のお守札として、いろいろご配慮いただいたもので大変ありがたいことです。

 そして友人が初めて錦札(にしきふだ)を授かったのは、第二十二番札所の「延沢(のべさわ)観音堂」でした。錦札とは巡礼回数が百回以上の方が、霊場会等の許可を得て奉納できる納札のことです。納められた方は山形市在住で八十七歳のH氏。これまで何度も金紙の納札でお名前を拝見しているお方で、裏面には百六十五回とありました。


友人が今回授かったのは観音堂の中での出来事。名刺代わりに頂いたり、ツアーのバス会社から記念に頂くのとは訳が違い、友人の錦札は観音様からの授かりもの。
次回以降の巡礼の中で、私もこのような錦札を授かりたいものです。

 今回の巡礼では他の札所でも、数多くの金紙の納札を授かることができました。こうして回る度に、まだお名前だけですが多くの先達(せんだち)との新たな出会いがあるのも、最上三十三観音巡礼の魅力の一つです。
観音様への信奉、そして人々の祈りが納札という形になった光景を各札所で目にする度に、深淵な仏の世界に触れることができます。そして様々な出会いがあるのも最上三十三観音巡礼なのです。

 今回の巡礼で友人達と途中蔵王温泉のホテルで湯に入ってきたり、村山ではおいしい米沢牛のステーキをいただくなどしながら、仲間たちとの親交を深めることもできたのです。
こうして楽しい思いでの巡礼になったのも、観音様のご縁なのだと感謝しています。
第六回目の巡礼はまた五月中にと思っているところです。


 今回のお稽古は連休中日にあたるためお休みです。また来週は研究会のため二回続けてお休みとなり、翌週十七日から風炉でのお稽古がまた始まります。

 

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風の森通信 第915号


最上三十三観音巡礼 四春四酔


 今年に入って初めての最上三十三観音巡礼、今回で四回目となります。一泊二日の強行スケジュールでしたが、車で友人達と一緒に回ることができました。
二日間とも山形は雲一つなく快晴。
県内では今、桜、桃、木蓮そして桜桃の花が一緒に満開です。


              桜桃(さくらんほ)の花

故郷山形でこんなに多くの種類の花々の開花と、本数に囲まれた記憶がありません。こうして観音様をご縁に、花々に囲まれ結願に向けて途中下車しながらの楽しい旅となりました。

最上三十三観音巡礼には四つの特徴があります。
 ①お堂の中でお経が読める静かな雰囲気
 ②疲れを癒す各地の温泉
 ③各地の果物、お蕎麦、お米、お肉特産品等の味の観光
 ④素朴な人情とおもてなしの心との出会い

 巡礼の中間地点である河北町の宿で一泊。そこで今回はおいしいお米とお肉を頂くことができました。
山形県産の甘くてうまみのあるお米の「つや姫」と、山形県金山町特産の肉質が柔らかく脂が甘い「米の娘(こめのこ)ぶた」を使った餃子のおいしかったこと。
目で花々を楽しみ、味ではおいしい山形のお米とお肉を堪能してきました。
 
 大石田二十七番札所の「深堀」で一枚の金の納札を手にすることができました。
「観音様のご縁にてこの御札を手にされた方、明日は今日よりも笑顔の人生でそして感謝の日々でありますように」と裏面に書かれいます。 
来週になれば桜や桃そしてさくらんぼの花は散り始めるでしょう。
こうして万物は絶えず変化し続けています。
季節もそして私も。
第五回目の巡礼は、五月に入って新緑の季節に伺う予定です。


  お稽古は炭所望、行之行台子そして台子貴人清次でした。
来月からはいよいよ風炉に変わります。

 

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風の森通信 第902号


平成26年 元旦


 
 新年明けましておめてどうございます。
仙台は最低気温が2℃、最高気温も8℃の予報で雪も無く穏やかな朝です。
皆様はどのような新年をお迎えでしょうか。

          観音妙智力(かんのんみょうちりき)
   
 私は昨年の夏から、故郷山形に古くから伝わる「最上三十三観音巡礼」を、友人から勧められて一緒にスタートしました。

一番札所は天童市にある若松観音から始まり、鮭川村三十三番札所の庭月(にわつき)、そして番外である最上町の世照(よてらす)で一巡りです。巡るという積み重ねの中から故郷の景色、地元の人々との触れ合い、父母を思い、境内の御神木からパーワーを頂き、納札(おさめふだ)を貼り付け、札所毎の観音様をお参りして巡ります。

            (平成25年9月10日撮影)

納札の色の違いは結願した回数により色が決められています。
1~2回は白紙
3回は板札
4回は赤紙
5回は黄紙
6回は青紙
7回は紫紙
8~9回は銀紙
10回以上は金紙
1札所毎に一体ずつ納めてお参りをしていきます。
お参りの際に金紙のお札を見つけた場合は、見つけた人が頂いてきてもよいことになっています。金札を授かった時はお守りとして持ち帰ることができるのです。

「同行二人」「二世安楽」「心願成就」・・・
あらゆるものへの感謝の気持ちが芽生え、これまで見えていなかったものが見えてくるものです。そして訪れるそれぞれの地で美味しい郷土料理を頂き、温泉に浸って疲れを癒すことができます。
普段と違う環境に身を置くことによって、いままで得たことのない誠に贅沢な時間を過ごすことができます。
これまで三回の結願となりましたが、今年はスタートの時期を早めて十回目の結願を目指します。
皆様方にとりまして今年一年が良き年でありますよう。

                   平成二十六年 元旦  冨樫 通明 



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風の森通信 第888号


 第一回 最上三十三観音巡礼結願


 先日第一回目の最上三十三観音巡りの残り二十八札所を一気に巡ってまいりました。
今回は輪袈裟を身につけての巡礼です。
輪袈裟は友人が準備してくれたもので、紫地に宝船を縫い付けられていて私のお気に入り。

 巡礼は一とき一ときを大切にするといわれています。
まずは健康で巡礼できることの幸せを感謝しなければなりません。
道中のいろいろな出来事はすべて観音様のはからいであると感じ、ひたすら感謝の合掌で受けとらなくてはなりません。
それによってこの巡礼はありがたく和やかな旅となります。
同行の人にはもちろん、道中で行き会う人々にもご挨拶をし、親切にし、自分よりも先に同行の人や道中の人に喜びを与えるというものです。まったくの他人であっても、巡り合って出会ったご縁の深い方々なのかもしれません。
自分さえよければいいというのは未熟な人の考え、道中出会う全ての人の願いが叶えられればと強く感じます。

 訪れた中で最も印象に残ったのが、第三十一番札所の富沢です。

            三十一番札所   富沢 
 
 この札所は山形県最上町富沢の天台宗浪高山東善院光清寺にあります。霊場全体が実によく整理されていて、ゴミもなくきれいに掃き清められています。風も流れていて空気までもが澄んでいました。
水屋では湧水の冷たさと透明さが心身を清めてくれます。
御本尊は馬頭観世音菩薩で慈覚大師の御作によるもの。
ご詠歌は

    さとびとの ゆたかにすめる とみざわの
               のきばのはなも くちぬなりけり

 観音堂に入ると天井には数多くの馬が描かれていて、それに呼び寄せられたように四面にはびっしり大小の絵馬が奉納されています。
お参りをする時手の平がチクチクと心地良い痛みのようなものが走って、観音様の力を体感することができたような気がいたします。このような感覚は初めてのこと。
ここでも金の納札を三枚ほどいただくことができました。
境内には樹齢五百年を越えるトチノキの大樹が御神木として聳えていて、あちこちにトチノ実が落ちている光景は絵になります。
また、山門の仁王尊にお参りすると足腰が丈夫になると言われているようです。

 他に番外となっている世照(よてらす)も心に残りました。
この札所は最上町曹洞宗臥龍山天徳寺にあります。
御本尊は子安観世音菩薩で観音堂を兼ねた位牌堂に安置されています。
観音様は三十三身に姿を変え、人々を救済するという慈愛に満ちたまなざしで赤子を見つめる子安観音坐像。そのお姿は温かくて私たち参拝者の心を安げてくれます。
ご詠歌は

    よをてらす ほとけのちかひ ありければ
               まだともしびも きえぬなりけり

友人が観音様に高額のお賽銭をあげて、いただいてきたのがこの色紙です。

   天徳寺小川信昭老師筆

裏には老師から巡礼した日付までご洗筆いただきました。
世界が美しくあるように、私の心も美しくありたいと願わずにはおられません。
 帰り際天徳寺の奥様から、お茶や地元特産のアスパラをご馳走になったり、巡礼の歴史やいろいろなお話もお聞きすることができました。地元で出会った方々の人情とおもてなしの心も、この巡礼の魅力の一つではないでしょうか。
これから何度もお伺いしたい札所となりました。

 各札所を巡礼したのが平日だったこともあり、道路も混んでなくて移動がスムーズにできました。そしてたくさんの金の納札も頂戴してきました。
長谷堂の急な坂道、そして打ち止めとなった庭月で得た達成感は今でも忘れられません。
次回の巡礼は今月後半に独りで巡る予定です。



 先週のお稽古は台天目と平点前でした。
今日は所要ができ、お稽古はお休みとなります。


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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大と、ヘルマンハープ演奏にも取り組んでいます。
昔からあった美しい東北の四季、それを彩る催しそして癒しの音色などもお届けしていきます。

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