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風の森通信 第994号


岩手県南の旅


 先日、奥州三十三観音巡礼として岩手県に行ってきました。
今回訪れたのは奥州市水沢区の第二十五番札所の黒石寺そして第二十七番札所の観福寺。

 麹菌を使った食品が大好きな友人の紹介で伺ったのは、奥州市胆沢区若柳にある「田園茶房ほたるの宿」という農家れすとらんです。

このお店はどぶろく特区を活用して、「雪ぼたる」という銘のどぶろくを製造販売しているお店です。開店前でしたが社長の佐藤さんに無理にお願いをして甘口と辛口のどぶろくを買い求めてきました。

お米は自家製のひとめぼれ。
どぶろくはペットボトルに入っていて、詮の上部には空気穴があって中の麹菌が呼吸できるように工夫されています。
佐藤社長曰く、どぶろくは刺身と同じようなもので何度も冷蔵庫から出し入れするものではなく、早めに飲んでもらわないと酸っぱくなってくるとのこと。製造の特徴をお聞きしたところ、いかに酸味を減らすかに工夫がこらされているようです。左側が甘口でアルコール度は11度、右側は辛口で15度と高め。

 宿泊したのは花巻南山の神温泉「優香苑」
宮大工が作ったホテルで、棟がいくつもあって贅沢な造りです。
温泉はph9.2のアルカリ泉で肌がツルツルになったのはいうまでもなく、結局五度も湯に浸ってきたほどです。
夜になってから買ってきたどぶろくを飲んでみました。甘酒のような口当たりでつい飲みすぎてしまいます。麹菌に詳しい友人曰く「どぶろくはデトックス効果があって放射線物質や添加物などを排出してくれる」とのこと。
ありがたいありがたい・・・飲み過ぎてしまいました。

 二日目の朝、山の神温泉の近くにあった「薄衣の滝」をみようと山奥に足を伸ばしてみました。滝に行くまでのあいだの岩はほとんど苔むしていてとても清々しい気持ちになったものです。
ジブリ映画の「もののけ姫」に出てくるような光景は誠に素晴らしいものでした。

 ↑
写真をクリックしていただけますと少し大きな写真になります。
(スマホで撮影したため解像度が悪くご容赦の程を)

上の滝が「天狗の滝」そして下が「薄衣の滝」高さはあわせて20メートルはあるでしょうか。

 帰りに立ち寄ったのは一関市にある厳美渓(げんびけい)
栗駒山を水源として一関市内へと流れる磐井川の浸食で形成された岩場は、国の名勝天然記念物に指定されているものです。奇岩、怪岩とエメラルドグリーンの水の流れが訪れる人々を魅了してくれます。

名物はなんといっても岩場の篭にお金を入れ木板を叩くと、対岸の団子屋さんからロープ伝いに篭が飛んでくる厳美渓名物の「郭公だんご」です。

大きな岩に腰掛け川の流れを見ながら、見ていて楽しい、食べて美味しい名物「空飛ぶだんご」をいただくことができたのです。



 先日のお稽古は貴人清次濃茶付花月そして四畳半花月を二度ほど。
来週は重茶碗と予告がありました。
研究会を前にしての予習としてのお稽古になります。
ありがたいことです。

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風の森通信 第976号


鹿島神社の「要石」



 6月3日(水)、奥州三十三観音第十三番札所の大聖寺に行ってきました。
前回の巡礼で福島県札所巡りの中で唯一御朱印を頂いていなかったのです。国道四号線を南下し、伊達郡桑折町にある観音堂を訪れ改めて納札をしてきましたので、これで福島県内の全ての札所を巡ったことになります。

 巡礼仲間のKさんから提案が有りました。
最近地震や火山噴火が全国各地で多発していたことから、各地に点在している鹿島神社の「要石(かなめいし)」にも三十三観音巡礼にあわせ是非お参りしたいと話があり、その都度近くの鹿島神社にお参りすることになったのです。
さっそくスマホで検索し、今回訪れたのは福島県福島市小田字鹿島山にある鹿島神社。


式内社鹿島神社拝殿

《参拝作法》
  ・浅い礼をする
  ・深い礼を二回(二拝)
  ・手を揃え合掌
    神拝詞(となえことば)
      祓え給え
      清め給え
      守り給え
      幸(さきわ)え給え
      天下泰平国土安穏
  ・二回手を打つ(二拍手)
  ・深い礼を一回(一拝) 
  ・最後に浅く礼をする
   
 Kさん曰く「要石」は地上に出ている部分はごく一部分でほとんどは地中深く埋もれていて、その埋もれた部分で地中で地震をおこすといわれる大鯰(なまず)を押さえていると伝えられているとのこと。そのためこの地域には大地震がないといわれ護国の役割もあって、全国各地にある鹿島神社には必ず「要石」が存在するというのです。


二の鳥居近くにある「要石」

次回の観音参りからも近くの鹿島神社に必ず参拝してくることにしました。八百万の神等共かしこみかしこみ申す“地震なきよう噴火なきよう”

 地元温泉巡りは当初玉子湯をと思い伺ったのですが、水曜日は日帰り温泉のみ定休日であったので誠に残念。近くを検索してあづま温泉を目指し行ってきました。露天風呂は福島市内を一望でき、泉質は肌がつるつるで入浴料は他と比べて約半額の350円ととてもリーズナブル。



 今日のお稽古から立礼式(りゅうれいしき)となりました。
裏千家十一代玄々斎精中(げんげんさいせいちゅう)により考案された椅子テーブル式のお点前です。
広間席には点茶盤(てんちゃばん)が据えられています。

今年初めてということもあり、点茶盤初炭手前、長緒での濃茶そして薄茶点前でした。

 来週6月13日(土)~14日(日)にかけて、仙台市青葉区勾当台公園において「第19回杜の都大茶会」が開催されます。
裏千家は13日(土)に釜をかけることになっていて、私は当日誘導係として今年も参加することになりました。
多くの市民の皆様がおいでくださいますようご案内申し上げます。
 

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風の森通信 第941号


 今年最後の三十三観音巡礼


 12月1日午前7時30分雨模様の仙台を友人たちと一緒に車で出発し、奥州三十三観音今年最後の巡礼です。
岩手県内の天気予報は雪の予報だったこともあり、今回は特別霊場に指定されている毛越寺(もうつうじ)そして中尊寺のみを巡礼することにして、今年の巡礼の打ち上げとして花巻温泉で一泊してきました。

 最初に訪れたのが冷たい雨が降りしきる医王山毛越寺。
天台宗で御本尊は薬師如来、美しい浄土庭園は国の特別史跡・特別名勝に指定されています。奥州藤原文化を今に伝える名刹です。


岩手県平泉町医王山毛越寺御朱印

     (文字)
       奉拝平成二十六年十二月一日
       薬師如来
       平泉医王山毛越寺
     (印)
       右上白文印は医王山
       中央の梵字は薬師如来をあらわす「ベイ」
       左下朱文印は毛越寺印

 次に訪れたのが天台宗関山中尊寺。
嘉祥3年(850年)慈覚大師を開創とし御本尊は阿弥陀如来。
訪れた日が12月1日ということもあって、本堂では大般若経が行なわれていました。せっかくの機会なので本堂の中に入らさせていただき、般若心経などを一緒に唱えさせてもらい貴重な体験をさせてもらったのです。
大悲閣でお参りと納札そして金色堂を久しぶりに見学させていただくことができました。 


岩手県平泉町関山中尊寺御朱印

     (文字) 
       奉拝平成二十六年十二月一日
       中央の梵字は阿弥陀如来をあらわす「キリーク」
       関山中尊寺
     (印)
       右上の印はよく分からず・・・
       中央上段は関山、下段は中尊寺印

 宿泊は花巻温泉ホテル千秋閣。
同じ系列会社であるホテル花巻2階館内に「佛法には明日ということあるまじく候」の額装有り。

 今年最後の巡礼の締めくくりのお言葉として、明日には自分の命がないものとして今を一所懸命に生きろということでょうか。
ありがたいと思うと同時にまた厳しいお言葉でもあります。
御染筆は円満院門跡道明とあります。係りの相馬様に詳細をお聞きしたところ、岐阜県大津の円満院門跡第五十六世三浦道明(みうら どうみょう)老師と教えていただきました。私も通明という名前なので、親しみを感じることができたのかもしれません。

 ホテルの夕食は半バイキング料理というもので、メインの肉料理の他に東北各県の名物鍋料理をいただくことができました。私がいただいたのは山形の芋煮鍋、秋田のきりたんぽ鍋、青森の煎餅鍋、岩手のはっと鍋等々・・・他には岩手地元の食材がふんだんに使われていることもありがたいことでした。
お風呂もホテル千秋閣、ホテル花巻、ホテル紅葉館のそれぞれの温泉を巡れるという特典もあって大いに楽しむことができたのです。

 2日の朝早く起きてみると雪が降っていました。
朝食をいただきながら眺める大きなガラス窓の光景は、山並みを背景に雪の降りしきる一枚の絵を見ているようです。
私にとっては今季初めての雪となりました。
部屋に戻って窓から見える光景は色が消えてしまったモノトーンの世界。

これからの季節、枯木が残らず白い花を咲かせる冬の花巻。
春になって若葉が芽吹く頃にまたお伺いしたいものです。

 帰りはのんびり国道4号線を南下し、途中一関駅前にある「ふじせい」に立ち寄り、名物の「ひと口もち膳」をいただいてきました。

お雑煮、納豆もち、くるみもち、じゅうねもち、あんこもち、ずんだもち、しょうがもち、ごまもち、えびもちそして大根おろしと白菜の漬物です。一度に九種類の餅をいただくことができます。一関は昔から餅文化が定着しているところです。餅米を聞いたところ地元産の「こがねもち」とのこと。もっとあたたかなお餅をいただけるのかと期待したのですがちょっと残念です。

 今回の巡礼で今年の目標であった最上三十三間観音巡礼の10回目の結願と、奥州三十三観音札所の約半分をまわったことになります。事故も無くまわれたことを観音様に感謝しているところです。来年の春からの巡礼で、どんな出会いが待っているのか今から楽しみです。



 先週のお稽古は真之行台子そして台子薄茶点前。
今月から初釜の準備のためのお稽古の予定です。


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風の森通信 第938号


 秋の奥州三十三観音巡礼


 今回の奥州三十三観音巡礼は、宮城県北に位置する涌谷、南方、東和そして中田にある六札所を巡ってきました。
その中でも印象的だったのが登米市東和町にある法輪山大慈寺と竹峯山華足寺(ちくぶざんけそくじ)。岩手県に隣接する町であることもあって、藤原三代そしてその後伊達家の庇護のもと千二百年の歴史をもつ寺が点在しています。
 最初に訪れたのが大慈寺。
観音堂は本堂左手に有り、ここも例にたがわず鍵が掛けられていて中に入ってお参りをすることはできず、外でお参りをするだけというものでした。その後御朱印を頂きに庫裏に伺ったところ、ご住職より客間に案内されお茶を何杯もいただくなどしてお話をいろいろお伺いすることができました。こんなにゆっくりお話ができたのは初めてのことで大変ありがたいことでした。
本堂にも案内していただき、一通りの巡拝作法をさせていただくこともできました。特に驚かされたのは本堂の御本尊である釈迦牟尼仏像。ここでは詳細のご説明は出来ませんが、大慈寺の御本尊は東北では一つしかないという非常に珍しく貴重なもので、一度訪れて拝見する価値のあるものです。
境内やお堂もとてもきれいで明るく何度でも伺いたい寺院です。

 次に尋ねたのは華足寺。
広い境内には大きな乳銀杏の木が枝を広げて聳えています。ほとんど落葉したようで下はご覧のように黄一色です。

落葉は北風に舞い、少し弱くなってきた太陽の光に影が長く感じられるようになってきました。日ごとに昼が短くなり、たちまち夕闇が訪れる時節です。

  ゆるゆると時が積まれてゆくように 落葉おち葉は絨毯のごと

                           H 26.11.5 冨樫 通明

華足寺の御本尊は馬頭観世音菩薩。
観音堂の大きさは最上三十三観音とは比較にならないほどの規模のものです。そして歴史を感じる観音堂が多いのも奥州三十三観音の特色かも知れません。
これより先の岩手県では、雪の便りが聞かれる時節になってきました。岩手県内十四札所の巡礼は来年の楽しみにするしかないようです。

 今日のお稽古は、半年ぶりに炉のお稽古です。
炉の初炭手前、貴人点濃茶そして薄茶平点前。
来週は研究会のためお稽古はお休みとなります。

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風の森通信 第935号


奥州三十三観音巡礼のスタート


 10月7日から奥州三十三観音巡礼をスタートさせました。
最初は近場の六番札所の松島瑞巌寺三聖堂。
日本三景松島の地に有り、伊達家の菩提寺である瑞巌寺受付から左に曲がってほどなく萱葺の観音堂が見えてきます。
三聖堂は今から330年前に、瑞巌寺百一世鵬雲によって建てられたもので、堂内中央に聖観世音菩薩、左に達磨大師、右側に菅原道真公が安置されたことから三聖堂といわているものです。
瑞巌寺や円通院には何度も足を運んでいるのですが、この地を訪れるのは初めてです。

お堂は文化財として登録されているせいか鍵が掛けられていて、中でお経を読める環境にはないことや、納札を貼り付ける場所や納札箱も無く残念なことです。瑞巌寺受付で御朱印帳が販売されていなかったり、参拝者用の奥州三十三観音パンフレットも無く、今年の当番の別当寺がどちらなのかもよく分からずと、巡礼最初から最上三十三観音との違いに戸惑いました。
 その後奥松島に向かい七番札所の富春山大迎寺を訪れました。観音堂は高台にあり朱塗りとなっていて、これまで経験してきた観音堂とは趣きを異にしています。本堂紫雲閣から眺める松島の景観は誠に素晴らしいもので、松島四大観の一つに数えられているほどです。
 次に名取市高舘山山麓にある一番札所の紹楽寺に向かい、本堂にある御前仏の十一面観音像をお参りさせていただくことができ、初めて堂中でお経も唱えさせていただくことが出来ました。

住職に御朱印を頂いた後、車で五分もしないところにある二番札所の天苗山秀麓齋に向かいます。境内は明るくてフォークソングの歌が響き渡りこれまでにない雰囲気の札所です。宗派は曹洞宗であるにも関わらず、御本尊が聖観音菩薩となっていて別名「利勝観音」とも呼ばれ参拝者が絶えません。本堂には千体仏もあって東北では珍しいもののようです。庫裏で御朱印帳とガイドブックを買い求め、その後近くにある三番札所の金剛寺観音堂に立ち寄りました。名取市内にある最後の札所は第五番札所である名取千手観音堂。ガイドブックに記されている住所に行ったところ移転したと看板が有り、新住所の名取市民センター近くの交差点で札所を見つけることができました。別当さんに電話をしたところつながらず御朱印を諦めていたところ、お堂の前に文箱があってその中に御朱印が有り料金を納めていただくことができました。
 名取市を後にして向ったのが角田市にある四番札所安狐山斗蔵寺。
この札所は入り口が二通りありましたが、車の走行に安全な大きな駐車場のあるコースで向かいました。車を降りてから約20分で頂上にたどり着きます。ここの観音堂も朱塗りとなっていて七番札所の大迎寺の観音堂と同じです。奥州三十三観音では朱塗りのお堂が多いのであろうか。
帰る途中福島までと思いましたが、時間的にも無理なのでここで終了です。宮城・岩手・福島の三県にまたがる全札所を回りきるまで一週間はかかりそうです。
 次回は岩手県の二戸まで行き天台寺などを巡りたいと思っていますが、十一月ともなると雪の心配が出てきて今年中の結願は諦めるしかないようです。次回は岩手の温泉に一泊しながら前沢牛でもいただこうかと楽しみでございます。



 先々週のお稽古は大円之草そして流し点。
先週は真之行台子、台子薄茶点前でした。
早いもので来週で風炉でのお稽古はお仕舞です。


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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大そして、昔からあった美しい東北の四季とそれを彩る催しを発信していきます。ドイツで生まれたVEEH HARFE(ヴィーハープ)演奏にも取り組み、癒しの音色をお届けしていきます。

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