風の森通信 第2181号
2019年 書の暦 紫陽花
水無月も今日でおしまい。
仙台は梅雨寒で、最高気温も20℃に届くかどうかという肌寒いこの季節。クリーニングに出し忘れていた薄手のセーターをまた着てしまいました。
和の文化や東北の四季・歳時記そしてドイツで生まれたヴィーハープの発信ブログ
美与之乃々也末能可奈太尓以部毛可那
与能宇幾止支乃加久礼可尓世武
みよしのゝやまのかなたにいえもがな
よのうきときのかくれがにせむ
山深い吉野山のさらにその向こうに、宿る所がほしいものだ
この世の中がいやになったときの隠れ家にしたいと思うので
暦のうえでは春とはいえ、仙台はまだ寒い日が続いています。それでも日中はいくぶん春めいてきて、暖かい日差しに恵まれている今日この頃。
隠れ家にしたいと思うのは、吉野山ではなく私はやはり岩手八幡平。
薄茶を自服しながら、岩手山の広大な景色を思いだしています。
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王可以本者美也己乃多徒美之加曽春旡
与遠宇知也末比止波以不奈利
わがいほはみやこのたつみしかぞすむ
よをうぢやまとひとはいふなり
わが庵(いほ)は 都のたつみ しかぞすむ
世をうぢ山と 人はいふなり
喜撰法師(8番) 「古今集」 雑下、983
私の庵は都の東南にあってこのように(平穏に)暮らしているというのに
世を憂いて逃れ住んでいる宇治(憂し)山だと世の人は言っているようだ
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