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風の森通信 第880号


 龍生派いけばな野外展


■日時 平成25年7月19日(金)~21日(日)
■場所 仙台市宮城野区榴岡(つつじがおか)公園
■主催 龍生派宮城県支部

 龍生派の佐藤秋華先生からご案内をいただき伺ってきました。
同展では初めての野外展。
テーマは「ありがとうinみやぎ2013」
東日本大震災時に、全国の皆様からいただいたご支援に対しお礼と感謝を込めるとともに、復興に向って進んでいる姿を見ていただきたいと開催されたものです。
全国から350名を越える方々の作品が出展されました。
それぞれのタイトルは分かりませんでしたが、個性的で印象に残った作品をご紹介させていただきます。

              吉村華州氏(東京都)

写真中央の椅子に座ってみると、地面に立てかけられた鏡の一枚一枚に、中央に立てられた一本の木が写って見えるという不思議な空間。それぞれの鏡に写った景色が違っていて、全部見てみようとしばらく座っていたものです。

              宮野弘淳氏(富山県)

公園の一角にうっそうとそびえる杉の木立に、白と赤の布が巻きつけられていてまるで木の精霊が宿っているかのようです。

      佐藤紫苑氏・小野恵燿氏・佐藤秋華氏(宮城県)

のどかな牧場の様子がうかがえます。錆びたミルク缶が背景に溶け込んでいて時間の流れも感じることができました。
木陰から牛がのっそり出てきそうな感じがいたます。

 作品毎のタイトルが分からなかったことで、見る者の想像力を膨らませることができたように思います。暑さや野外ということもあってか花を使った作品はほとんどありませんでした。使われていたのは一般家庭でよくみかける傘や風船、発泡スチロールやロープ、布や木材・竹材などごく普段の生活にあるものばかりで驚かされます。
出展された方々の自由な発想から作り上げられた空間を、広い公園の中で気軽に楽しむことができたのです。



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風の森通信 第644号


龍生派いけばな展


■日時 : 平成22年4月18日(土)12時~
■会場 : せんだいメディアテーク 1階オープンスクエア
■主催 : 龍生派宮城県支部
 
 毎年この季節に必ず伺ういけばな展があります。
龍生派宮城県支部主催のいけばな展です。
今年は宮城県支部創立70周年記念の61回目。
開催期間中は前期と後期に分かれていて、昨日までの2日間が前期そして今日から明日までが後期となっていて二度楽しめるのもこのいけばな展の特徴です。
二日間とも印象に残ったのがボックス(フリー)コーナーの作品。

・前期
  川田 美洋 氏 

 花材はニューサイランとガーベラ。
バスケットの周囲にニューサイランが編みこまれ、ガーベラがその中に配置されています。色の対比が面白くガーベラの花それぞれが輝き生きています。
花車を連想してしまいました。
そんなバスケットの中をそっと覗き込みたくなってくる作品でした。

・後期
  佐藤 秋華 氏

 花材はしだれ柳、チューリップそして水引。
右に流れる水引の色を見るとたくさんの色で作られています。
いつも見慣れている赤や白だけではなく、たくさんの色が使われ幸せの先の色がいくつにもなっていて、きっと多くの方々から祝ってもらえるにちがいありません。
それにチューリップの一つ一つの表情が、これから先の幸せを見守っているかのようです。
現在から未来への時の流れを感じることができる作品であったと同時に、未来感そして幸せ感あふれるものでした。

 残念ながらお二人の先生方にはお会いすることはできませんでした。どんなイメージで作られたのか一度お聞きしたかったものです。
先生方の来年の作品も楽しみでございます。
写真撮影並びに使用許可については、受付の事務局の方々にご了解をいただきました。
感謝申し上げます。


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ジャンル : 趣味・実用

風の森通信 第579号


龍生派いけばな展


・2009年龍生派宮城支部いけばな展(後期)
・平成21年4月18日(土)~20日(月)
・仙台市青葉区さくら野百貨店仙台店
 
 各地から花の便りに心弾むこの季節、龍生派宮城支部いけばな展が今年も開催されました。会場には古典華や生花そして自由花などを中心に力作が数多く展示され、日曜日ということもあってか多くのお客様で終日にぎわいました。

 龍生派いけばな展の作品をみていつも感じるのは、「発想」させられるそんな作品が多いことでしょうか。花を見て発想する、花器を見て発想する、物から発想する、生活の中から発想し活け上げられているということを。
花以外に、普段目にするいろいろな素材が実に多く使われているということが、このいけばな展の大きな特徴のような気がいたします。
印象に残った作品をいくつかご紹介させていただきます。

■古典華 生花
・大槻秀峰先生

photo_21041901.jpg

 苔梅と小菊だけの作品です。
苔梅が空に向かって上へと伸びていくその曲線は、ここでしか見ることのできないものでしょう。みる者の心を引きつけ下の枝から最上部まで目が追いかけていきます。
小菊の白さはその中心にあって全体を引き締め、清々しささえ感じられます。そして品位、格調、調和という言葉すら感じさせてくれる作品でした。

■オープン
・菅野紫光先生

photo_21041902.jpg

 花材は縄、大王松そしてキングプロティア。
象の鼻が大王松を食べているように見えてまいります。
縄でぐるぐる巻きにされたその曲線が、まるで動いているかのようにも思えその大胆さに一瞬たじろいでしまうほど。
「大王」そして「キング」、どうもこのあたりに作品のテーマとしてのヒントが隠されているのでしょうか。それにしてもそれらを取り巻く全てが、縄で撒きつけられていることにも想像が膨らんできます。
縄自体も植物として扱っていると理解してもよいのでしょうか。
花器に入っている花といえば、私はお茶室でしか拝見する茶花だけですが、この花展を見る限りではいままでの固定概念ではまったく通用しないといっても過言ではありません。
多くの作品の中でも特に記憶に残る作品でございました。

■フレームにいける
・佐藤秋華先生

photo_21041903.jpg

 今回のテーマは「泡」
佐藤先生と会場で直接お会いすることができました。
仕事柄、日本種の酒蔵が大好きなこともあって、あのタンクの中の泡から発想したようです。
泡そのものは和紙で出来ていて、色は黒、金、紫そして白。蔵人さんの苦悩が黒。紫は神聖な神のお酒で御神酒蔵のイメージ、そして白はお米。金はその苦労に対するご褒美として全国清酒鑑評会で金賞受賞できますようにと願いを込めたとか。
泡が和紙で出来ているせいか一つ一つが優しく膨らんでまいります。唯一使ったしゃがの葉は、風が吹く田んぼの風景を表しているとお聞きしました。
佐藤先生の思いが、フレームという限られた空間の中にぎゅっと詰った作品でした。

 今回のいけばな展をみて感じたことは作者も発想を膨らませながら活け、そして私たちも想像を大きく広げながら楽しむことができるそんな花展であったように思います。
来年もまた拝見したいものです。
なお受付において作品の写真撮影や掲載のご了解をいただきましたこと、この場をお借りし御礼申し上げます。


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風の森通信 第481号


龍生派いけばな展


・龍生派宮城支部いけばな展
・平成20年4月16日(水)~21日(月)
・仙台市青葉区さくら野百貨店仙台店
 
 開場は古典華や生花を中心に飾られ、日曜日ということもあってか多くのお客様で終日にぎわっておりました。
開場に入るとテーマ毎のコーナーが設けられ、作品が互いに競い合いながらそのテーマを創り上げている配置はなかなか面白いものでした。
今回は後期の華展を拝見させていただくことができました。
いつもお茶室で茶花を拝見する機会だけの私にとって、今回の華展は新鮮で刺激的なものとなりました。なかでも「凸へのアプローチ」、「複数の花器」というコーナーで素敵な作品に出会うことができたのです。
花だけではなく、普段私たちの身のまわりにある素材が花々を美しく引き立てていることに驚かされます。そして一つひとつの作品にストーリー性を感じられるのも今回の華展の特徴でしょうか。
花は野にあるようにだけではなく、花をより美しく見せながら想像性を膨らませてくれる作品が多く展示されておりました。

■「凸へのアプローチ」
・佐藤秋華先生

photo_20042007.jpg

 黄色は月のイメージでしょうか。
丸い黄色の筒に8色のテープが巻きつけられています。
花はアロエの葉が2枚。
一番手前に巻きつけられているテープの色が緑色。
これからの新緑の季節を感じさせてくれます。
上下に流れるテープは風を表しているのでしょうか。
季節感そして大きな風の流れを感じることのできる作品でした。

・高橋玉穂先生

photo_20042004.jpg

鮮やかな青は水そして初夏のイメージでしょうか。
作品の左上部にアイリスの花が配されていて、その色から強い生命力を感じとることができます。
上からの白い網が流れ落ち立体感を創り上げながら、作品全体を包み込むかのように見えてきて、一つの大きな滝を連想させてくれます。
白い網の目のサイズとアイリスの花の大きさがバランスよく、作品全体が造る影も面白く映って、見る人の眼をその奥深くまで引き込んでいく作品でした。

■「複数の花器」
・清水みき子さま

photo_20042005.jpg


上へ伸びる直線的な作品の中の下段と中段に咲き誇ったように花が配置され、品格のある作品に仕上がっています。
それに半円の花器にマッチした構成と全体的に優しさが伝わってくるものでした。

花、素材それらを自由に組み合わせながら季節の美しさを表現したり、想像する楽しみのある作品が多い華展でした。
来年もまた拝見したいものです。


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風の森通信 第287号 


 「龍生派」宮城県支部いけばな展に行ってきた。
和の学校仙台分校会員のhanaroさんが出展していることもあって、以前から楽しみにしていた。

photo_18041610.jpg


 私がこれまで見聞きしていた花展とはいささか様子が違っていた。
会場全体を見渡してみても作品の花材がほとんど枝であったり、幹であったりそして葉であったり。花だけではない花材と、他の新たな素材とを取り合わせた作品が多かったことが特徴の一つであろうか。
hanaroさんの作品は、「フレームに生ける」というコーナーに展示されていた。まるで一枚の絵を見ているような感覚と言ってもいいだろう。
薪を使った作品は斬新なアイデア。一本一本の薪の長さが違っていて街を表現しているとのこと。フレーム全体に切られた薪がランダムに配置され、少し窮屈になった空間は街の未来を暗示しているようにも思えてくる。
薪に混じってマングローブで出来た大きな炭も、アクセントとしてそして異質なものとして効果的に配置されていた。
現代社会は黒い闇の部分がいっぱいありそうだが、そんな街の中でもしっかりと根を張り、堂々とそして美しく咲いている花の姿に心打たれます。
でも炭は水を浄化する物質でもあるわけで、異質なものではなく元来同じものであると訴えたかったのだろうか。
また素材が薪であったせいか、作品全体が木の温もりと作者の温もりもが一緒に伝わってきて、私の心を癒してくれた作品だったのです。背景のボードの色が薪の色にマッチしていたこともあり、極楽鳥花の存在感が一層際立っていると同時に、誇らしくも見えてくる不思議さがある。
一本のストレリチアは美しく、力強くそしてロマンに満ち溢れた花だったのです。
おなかがすいていたせいでしょうか、薪の年輪がくっきりと見えてバームクーヘンのおいしい街にも見えてきます。

 今回の花展で、hanaroさんは龍生派お家元から「花泉賞」を授与されました。
「華泉賞」とは、龍生派研究会で優秀な成績をおさめられた方に与えられる名誉ある賞で、今回数少ないお一人として受賞となったものです。
私までもが嬉しくなってきます。
10年間継続してきた結果と日頃の努力の賜物。
「花泉賞」の受賞そして花展の盛会誠におめでとうございます。
これからのますますのご発展お祈りいたします。

 「龍生派」宮城県支部いけばな展は明日4月17日(月)まで、仙台市さくら野百貨店で開催されている。

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ジャンル : 趣味・実用

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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大そして、昔からあった美しい東北の四季とそれを彩る催しを発信していきます。ドイツで生まれたVEEH HARFE(ヴィーハープ)演奏にも取り組み、癒しの音色をお届けしていきます。

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