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風の森通信 第296号

・平成18年5月14日(日)午後11時00分~
・宮城県遠田郡涌谷町 天平ろまん館 くがね庵 「万葉茶会」

   
 天平二十一年(西暦749年)に、宮城県遠田郡涌谷(わくや)町から日本で初めて金が産出し、奈良東大寺の大仏造営の際にこの金が献上されたと伝えられている。

    すめろきの御代栄えむと東なるみちのく山に金花咲く

 大伴家持が詠んだ地がこの涌谷の地を指し、万葉集に収められた歌の中では最北端の地とされる。
黄金山(こがねやま)神社は、天平産金に縁起を有したことにより「延喜式神名帳」に登載され、延喜式内社という由緒ある社、国家の神社として今日まで至っている。
また涌谷は近世、伊達安芸宗重公の城下町としても栄えてきた。

天平ろまん館から黄金山神社に続く参道は、新緑に囲まれその奥にたたずむお茶室がくがね庵。

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無数の新緑の葉ずれから風が立ち、その風を胸いっぱいに吸い込んで蹲踞の前に進みます。
口をすすぎ、残りの水で柄杓を立てて柄を洗い清めれば、水琴窟からは涼しげな水音が聞こえてきます。

くがね庵 席

床     足立泰道和尚筆   薫風自南来
       裏千家  浅野先生 

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     薫風(くんぷう)南より来(きた)る     圜悟禅師

 初夏の爽やかな風が南から吹いて来た。
人は何かと損得にこだわり、そして自分だけはと右往左往する毎日。
そんな迷いを一陣の薫風によって吹き払うことができたら、こだわりもなく、とらわれもなく、自由でさっぱりとした清々しい自分を感じることができるだろう。
一切の垢を抜け去った無心の境涯は、その後に「殿閣(でんかく)微涼(びりょう)を生ず」と続く。
ありもしないことで悟りを得るよりも、作為のないことこそがそれを可能にするのだと。
茶会のテーマは「心の清涼」であったろうか

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     花      山芍薬
     花入    青交趾  陶若窯   能勢進造
     香合    黒檀            遊山造

     風炉先   雲月    鵬雲斎好 友国泰治造
     棚      大内棚   淡々斎好
     釜      遠山霰筒窯       佐藤清光造
     水差    仁清木蓮        平安御室窯
     薄器    八橋蒔絵大棗     中村宗悦造 
     茶杓    銘 唐衣          万拙作
     茶碗    色絵扇面         宮川香雲造
      替     薩摩焼練込       島津家御庭窯
      蓋置   兜              
     建水    コマ形宝尽        陽炎園造
     茶      又玄           小山園詰
     菓子    花菖蒲         都澤製

 席主の黒澤先生から「多くのお客様方に来ていただき、また新しい爽やかな風がこのお茶室に入って来てくれました」と。
五月の風そして茶席に入られた皆様方も、さわやかな風とはなんとも素敵なご挨拶。
お茶の味と香り、そして先生方のあたたかいおもてなしが今も心に残ります。

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受付前で浅野先生とご一緒に。

先生から「こうして皆様方とお会いできることがなにより楽しみなこと」とコメントをいただきました。
終日、くがね庵は多くの参列者でにぎわいました


天平ろまん館内研修室

「表千家涌谷地区愛好会」の皆様方による立礼席。

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 新緑の季節にふさわしい色彩のお道具が荘られました。
水差、蓋置、お茶碗そしてお点前をされていた先生の服までパステルカラー。
明るい雰囲気のなか、おいしいお茶とともに心地よいひと時を過ごすことができたのです。

くがね庵の周囲は源氏蛍の生息地。
蛍飛ぶ真夏の夜はどんな光景が繰り広げられるのでしょうか。


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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大そして、昔からあった美しい東北の四季とそれを彩る催しを発信していきます。ドイツで生まれたVEEH HARFE(ヴィーハープ)演奏にも取り組み、癒しの音色をお届けしていきます。

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