風の森通信 第309号
先週末、仙台市青葉区の親戚の家から古い「SINGER」ミシンをいただいてきた。
こうしてまた家の廊下の片隅に落ち着くことになった。
義母の母が明治30年代の後半、嫁入道具として持ってきたというので100年以上は経っていることになるだろうか。
当時アメリカから輸入され、100円以上の値段だったと聞かされた。手先の器用な叔母で、子供達の洋服は自分で縫って着せていたという。
かなり使いこまれていて、本体の模様があまり見えない。
金色の地にいろいろな色の模様と文字が書いてあるのだが、どんなものだったのかもう判別することはできない。
実際に家族の者が足で踏んでみたところ、まだきちんと縫える状態であることが分かった。
丈夫なものであると同時に、よく保存されてきたことにも驚かされる。
電気もない明治時代のミシン。
足で踏んで縫っていく型で今時珍しい。
単純な構造だから壊れることもなかったのだろう。下の写真は両脚の側面部分。
中央には蛙であろうか、紐のようなものをくわえているデザインとなっている。
蛙の上には
THE SINGER MANFG.CO.
その下には
TRADE MARK
廊下の一番奥にあるので狭いところだが、椅子をおけば読書するのにいいし、手紙や原稿を書くにもちょうどよい高さなので気に入っている。
廊下にあるということもあり明るくて目も疲れない。
目を上げれば庭の緑と小鳥達のさえずりが聞こえる。
いずれ私専用の机にしてしまおうかと思っている。
大事に使っていきたい。
今日のお稽古は「盆香合(ぼんこうごう)」、「名水点(めいすいだて)」そして「洗い茶巾」での「続き薄茶」をさせていただくことができました。
仙台の気温が20℃と過ごしやすく、躙口(にじりぐち)を開け、蚊遣りをたいてのお稽古。
路地の苔の緑色が鮮やかに輝いています。
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