風の森通信 第330号
曼珠沙華(マンジュシャゲ)
今日は彼岸の中日。
曼珠沙華は不思議な形の花で、我が家の庭にもちょうどこの日に合わせたかのように咲いてくれました。
車を運転していて田舎道で群生しているのを見つけると、赤く燃えるような咲き方がなんとも印象的な花です。
子どもの頃家に持って帰ると、母に「家が火事になるから遠くへ捨ててきなさい」とよく怒られたものです。
真っ赤な色が火を連想させるからでしょうか。
大人になって分かったことですが、彼岸花の中に毒があるのでそれにさわらないようにとの教えだったようです。
最近ではご近所の庭先でも、よく見かけることができるようになりました。
二枚の写真とも花の真上から撮影したものです。
上は花の中心部、下はフラッシュをたいて花全体の形がほぼ真円になっていることがわかるように撮ってみました。
午後から瑞鳳寺での月釜に、齋藤宗紀先生そしてUさんと一緒に参加してきました。
濃茶席
床 清秋竹露深
花 白鉄線
茶入 瀬戸
茶碗 井戸唐津
茶杓 銘 閑雲
菓子 山づと
薄茶席
床 月
花 秋の茶花数種
釜 六瓢釜
棚 源氏棚
薄器 山里棗
茶杓 銘 雁が音
茶碗 絵唐津
菓子 芒煎餅 小菊
六瓢釜(むびょうがま)のことを初めて知ることができました。
お稽古では斎藤宗紀先生には教えてもらっていたのですが、どこに瓢箪が六個あるのかまったく知りませんでした。
釜として形が面白く、風炉の真ん中に納まっているのを見ると「どうして瓢箪が釜になってすまして座っているの?」と笑みがこぼれてしまいます。
その姿、表面の図柄に二個、左右の環付耳、蓋摘み、あわせて六つの瓢箪があるとS先生より教えていただきました。
拝見して数えてみると確かに六個の瓢箪です。
姿が瓢箪だということしか分からず、瓢箪の数まで数えてみることがなかったのです。先ほど先輩からメールが届きました。「無病息災」を願う言葉としても付けられた釜なのだとも教えてもらいました、ありがたいことです。
お茶を長年お稽古されている方にとっては「こんなことも知らないの」とか「当たり前じゃない」と思われるかも知れませんが、まだ初心者の私にとって、こうしてきちんと教えていただけることのありがたさを痛感しています。
お道具の持つ意味や由来をきちんと教えていただけることは、お茶の持つ楽しみ方や言葉の面白さなどを大切にすることによって、茶道の奥深さを改めて知る機会にもなると思っています。
お稽古だけではなく、こうして月釜などでもきちんと教えていただけることは茶道の普及拡大という意味ではとても大切に思えてなりません。S先生があえてご説明していただきましたことに深く感謝申し上げます。
お席ではこの季節にちなんだお道具をたくさん拝見することができました。主菓子の「山づと」そして干菓子の「小菊」はこの季節だからこそ味わえるおいしいお菓子でした。
秋の風情を十二分に楽しむことができたお茶会だったのです。
明日は近くの市民センター祭でのお茶席に参加させていただく予定です。
これからの週末、しばらくお茶会で楽しむことが続きそうです。
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