風の森通信 第339号
「平丸倶利香合(ぐりこうごう)」
私にとってお気に入りの香合です。
初炭手前の時に使われるもので、ぐりという言葉が以前から気になっていました。
子供の絵本のなかに「ぐりとぐら」という、二匹の野鼠が助け合って冒険をしていくというお話があります。「ぐりぐら、ぐりぐら・・・ぐりとぐら」そんな楽しい掛け合いがあったように記憶しています。
この香合を使わせていただく度に、野鼠たちの楽しい物語を思い出すのです。
のみでぐりぐりと荒く彫ったことからつけられた名前と、斎藤宗紀先生からお聞きしました。
そしてどこかエキゾチックな文様にも心惹かれます。
風炉にたくお香として、中には白檀が入れられまろやかな香りがお茶室の中に漂ってきます。
今日のお稽古は風炉を使った中置での初炭手前、大円草(だいえんのそう)そして中置の薄茶点前。
大円草は濃茶二服点で菓子は五種。
特徴的なことといえば淡々斎好みの大円盆を使い、天目台に天目茶碗をのせて点てるもの。
茶入れも唐物と和物の二つを使います。
他にはお辞儀の仕方は四ケ伝より丁寧に指全部をつくくらいにし、茶入れの扱いは揉み手三回、茶碗の扱いも湯、水を注ぐときは左手を添え、柄杓も置柄杓と切柄杓の繰り返し。
特に揉み手は草清(そうせい)とも呼ばれていて、両手の間に草を挟み揉んで手を清めたことから付けられた所作ということも教えてもらいました。
手を清めて大事なお道具を扱ういかにも茶道的な扱い方です。
拝見の時は帛紗を広げ、二つの茶入れと両方の仕覆(しふく)を一緒に拝見するもの。
知らないことが山ほどで、一つひとつが私にとって驚きの連続です。
お稽古で初めて知った喜びをブログに留め今日も終えたる
H18.10.21 冨樫通明
来週は炭付花月と濃茶付花月と予告がありました。
どんな花月なのか今から楽しみです。
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