風の森通信
「和の文化」(茶道、短歌、俳句、東北の四季・歳時記)発信ブログ
風の森通信 第354号

 大晦日

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               (風のいたずら)

 珍しく今日は早く目が覚めました。
カーテンを開けてみると、庭はうっすらと粉雪に覆われています。
たまには家の前の道路掃除をしようと出たところ、風の通り抜けていった跡が残っていたのです。
まるで波打ち際にでも立っている感じでしょうか。

 昨日、注連縄や鏡餅それに榊などを買ってきて、床や神棚に飾り付けを終えたばかりです。
世の中がいくら変わっても、昔から続いてきた年神様をお迎えする準備は変わることはありません。
年が改まるとまた一つ歳を重ねることになります。
いい歳になってきたせいでしょうか、一つひとつの行事が無事終えることも楽しみになってきました。

 いつもブログ「風の森通信」のご講読をいただきまして、誠にありがとうございます。
「風の森通信」は以前、メールマガジンとして270号まで発信し、今年の2月3日からはブログとして再スタートしたものです。
週に1回というスローペースではありますが、多くの皆様方にアクセスしていただき既に今年だけで20,500ヒットとなりました。
皆様方に感謝申し上げます。
これからもお茶や季節の移り変わりを中心に、日々感じたことを書き込んでいく予定です。
また新しい年もどうぞよろしくお願いいたします。

皆様、良いお年をお迎えください。


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風の森通信 第353号

 みぞれ降る

 午後から仙台は雨からみぞれになりました。
雪が積もることはありませんでしたが、ようやく冬の感じがしてきます。
いつもの散歩道。
すっかり葉の落ちた木が曇りの空にそびえ立ちます。

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              (仙台市泉区紫山)

   風よ
   あなたはいつも
   木々の葉をゆらして
   静かに文を落としていく

そして冬
   風よ
   あなたはいつも
   木々の枝をとおり抜け
   冬の音を聞かせてくれる

春と夏になったらまた続きを作りましょう。


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風の森通信 第352号

 今年最後のお稽古

 クリスマスイブの今日、仙台では午前10時過ぎた頃に少しだけ小雪が舞いました。
皆様はどんなクリスマスイブを過ごされていますか。

 今日は今年最後のお稽古です。

床   響

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 この季節ですから、第九の合唱の響きでしょうか。
それともお稽古の中で、先生と生徒それぞれが響きあいながら研鑽に励めということなのでしょうか。
今年一年、齋藤先生に教えていただいたことのどれだけが自分の身になったのか甚だ疑問です。
そして宇さんが来月から転勤ということもあり、仙台でのお稽古は今日が最後となりました。
真之炭、真之行台子、台子を使った薄茶点前。
宇さんからは濃茶を練っていただきおいしくいただくことができました。わずか四ケ月のお稽古だけの短いお付き合いでしたが、いろいな面で学ぶことができました。覚えが早いこと、そして季節をとらえる若い感性におどろかされることが多くありました。
真之行台子では主菓子として果物もいれ七種が出されます。

「さきほどは数々のおいしいお菓子を頂戴しました、ご銘は?」
「聖夜と申します」
「ご製は?」
「玉澤でございます」

次回のお稽古からは、こんなやりとりができなくなるのかと思うと寂しいものです。
でも新しい転勤先でもお茶を続けていかれるとのこと。
同門として、どこかでまたご一緒できることを今から楽しみにしております。
本当にお世話になりました。

最後は、宇さんの強い希望で灰形作り。

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今日のお稽古では二文字押切形。
前の五徳の横中央を通り一文字切り、奥にある五徳の後ろいっばいにもう一つの一文字を切ります。
傾斜の面は凸凹のないようにとのことですが、どうしても灰匙に力が入ってうまくいきません。
灰匙の重さを使うようにと教えていただくのですが、どうもその加減が難しい。
そしてその後は両側の谷を整えていきます。
風炉を使ったお茶会で、灰形を拝見するときの楽しみが増えてきました。

 今年の世相を表す漢字は「命」でした。
いじめや過労死による自殺、そして自然災害や事故などで命が奪われた暗いニュースが去年よりも多く報導されたような気がします。
また、悠仁親王の誕生や新生児の数が少し上向いてきたという新しい命のニュースも話題を集めた年でもありました。

 私の今年を表す字はというとやはり「会」でしょうか。
「和の学校」仙台分校活動での出会い、そして裏千家茶道をとおしてさまざまな方々との出会いが今も心に残ります。
fmいずみの「ドリーミングトーク」への出演で「和の学校」の紹介をさせていただくなど、当初考えもしなかった思いもよらぬ方向での出会いもありました。
お茶を楽しむ会での毎月の例会では、各県のお茶室でいろいろな先生方との新たな出会いも数多くありました。
この一年間は、私にとって新しい出会いが特に多い年であったのです。
さて、「風の森通信」読者の皆様方の今年を表す字はどんな一字だったでしょうか。

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風の森通信 第351号

 残心余情
 

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床  残心余情

 お茶でいう余情は、お茶会などの後にも相手を思ふ味わいのこと。特にお茶事の後に、亭主がにじり口をあけ手をつきながらお客様の姿が見えなくなるまで見送りながら心を残すことと、齋藤先生に教えていただくことができました。
一期一会の茶会で名残りを惜しみつつ、さらりと別れながら心をもってお客を思う。
姿が見えなくなったとしてもそれで終わりではなく、無事に家まで帰られたであろうかとまで思いを馳せることなのだと。
お茶事は最初から最後までお客を思いやることの連続。
 今年も残り少なくなり、齋藤先生はわたしたち生徒一人ひとりが、今日も無事であってほしいという思いなのでしょうか。
この季節に床に荘っていただきましたこと、本当にありがたいことです。

 今日のお稽古は、真の炭手前、真の行台子そして台子を使った薄茶点前。
真の炭手前は座箒(ざぼうき)を使って茶室内の塵や埃を取り除くために行われる所作が特徴であろうか。
今年一年の私の心に積もった塵や埃も、こうして簡単に取り除ければと思ってしまうのです。
残り二週間となりましたが、新しい年を無事に迎えることができますように。


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風の森通信 第350号

 「光の粒」

 12月12日(火)からSENDAI光のページェントがスタートしました。仙台市の中心部を東西に走る青葉通りと定禅寺通りが、金色の光に包まれます。
今年でもう21回目。

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                (定禅寺通り)

二つの通りの221本の欅の木に70万個の電球が取りつけられます。今ではすっかり仙台の冬の風物詩となり、多くの市民や観光客でにぎわいます。
毎日午後5時30分、カウントダウンを皆で言い合いながら、一斉点灯の瞬間はちょっとばかり感動ものです。

 今年のクリスマスソングで「冬の蛍」という歌が流れていますが、ここ仙台では点滅しないので「光の粒」といったほうがぴったりです。
見上げた夜空全体に「光の粒」が、ゆらゆら風に揺られながら枝に見え隠れするので、自然に点滅しているように見えてきます。
そんな光景を見ていると不思議に心が安らいできます。
灯の明かりや灯のゆらぎは、人の心を優しくしてくれるような気がします。

 私からの一番のお勧めは、寒い夜に雪が降った時に見上げる「光の粒」たちでしょうか。
欅の枝をすり抜けてくる雪が、「光の粒」に照らされゆっくり落ちてくる様は、ここ仙台でしか見ることができません。
そんな光景をカップルで見ることができたら、一年以内に結ばれると昔から言われてきました。こんな話を聞いていると、冬の日の灯りは恋人たちのために用意されているように思えてなりません。

 私も光に包まれながら夢をみたくなってきました。
誰か一緒に歩いていただけませんか。

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風の森通信 第349号

 心の余白

 仙台は朝から小雪です。
落葉した街路樹の風景は、この季節ならではのことでしょうか。
葉がすっかり落ちた木々を見上げれば、冬が来たのだと感じることができます。

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           (青葉区広瀬通りの銀杏並木)

冬の花、冬の鳥、冬の風そして冬の月を五感で感じ、自分の心が穏やかであれば、そこには余白が生まれてくるような気がします。
余白であっても、ひそかに心の中で形や色を思い描いてみることにいたしましょう。
余白とは心の余裕なのだと思うのです。

手にしたお茶碗には、柚子の実がたくさん描かれています。
雪が降りはじまったばかりで気の早いことですが、宇さんに点てていただいたお薄の色は春の色。

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雪の降る日に、新緑の色に出会えるのも有り難いことです。

 今日のお稽古は後炭所望(ごずみしょもう)、大円草(だいえんのそう)そして薄茶点前。
大円草は濃茶の二服点。
唐物茶入と和物茶入、天目台と天目茶碗そしてお茶杓は竹の止節が大円盆の中に仕組まれます。
天目茶碗を定座に出して窓を見上げると、雪がゆっくり落ちてくるのが見えてきます。

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風の森通信 第348号

 小色紙

山ふ可見万つのあらしにききなれてさらにみやこやたひ心ちせん

                              覚盛法師

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 冷泉家に伝えられる小色紙三筆の中の藤原俊成筆の写し。
縦横約10センチにも満たない小さな色紙が今日の床である。

  山深み松の嵐に聞きなれてさらに宮こや旅心地せん

山深いところで、松を大きく揺らすほどの烈しい風の音を聞いています。都にいてこの強い風の音を聞いていたとしたら、どこか遠くに旅しているような心地になれるのです。
齋藤先生から「後拾遺和歌集」にある歌とお聞きしました。
勅撰和歌集として約1000年前に編纂されたもの、詠われたのはちょうど今の季節でしょうか。
色紙は上が淡い藍が流され、下は雪を冠った山並みにも見えてきます。かな文字の線が小色紙いっばい流れるような軌跡の中に、風の表情を見て取ることができます。お稽古では、お点前の他に平かなや変体かなを親しむことができるいい機会にもなっているのです。

 今日も宇さんの台子を使った初炭手前でお稽古が始まりました。

  「お香銘(こうめい)は?」
  「紫舟(しばふね)でございます」
  「お香元(こうもと)は?」
  「鳩居堂(きゅうきょどう)でございます」

床の花も寒椿が荘られるようになってきました。

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行之行台子は八掛盆の上に唐物の茶入。
茶杓は竹の止節、蓋置は火屋(ほや)香炉そして茶碗は天目茶碗に天目台。
点て方も両手扱いで、湯・水を注ぐときは左手を添え、茶入扱いは唐物のため揉み手、茶巾は二度畳み直し。
そして台子での薄茶点前。
お茶碗を持つ手に温もりが伝わってきます。

 仙台も雲が低くたち込め、もういつ雪が降ってもおかしくない空模様。明日の天気予報も氷点下になるとか。
路地にあるもみじの葉がほとんど落ちて、木の姿がはっきりしてきました。
樹木も冬の準備は整ったようです。

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