風の森通信 第349号
心の余白
仙台は朝から小雪です。
落葉した街路樹の風景は、この季節ならではのことでしょうか。
葉がすっかり落ちた木々を見上げれば、冬が来たのだと感じることができます。
(青葉区広瀬通りの銀杏並木)
冬の花、冬の鳥、冬の風そして冬の月を五感で感じ、自分の心が穏やかであれば、そこには余白が生まれてくるような気がします。
余白であっても、ひそかに心の中で形や色を思い描いてみることにいたしましょう。
余白とは心の余裕なのだと思うのです。
手にしたお茶碗には、柚子の実がたくさん描かれています。
雪が降りはじまったばかりで気の早いことですが、宇さんに点てていただいたお薄の色は春の色。
雪の降る日に、新緑の色に出会えるのも有り難いことです。
今日のお稽古は後炭所望(ごずみしょもう)、大円草(だいえんのそう)そして薄茶点前。
大円草は濃茶の二服点。
唐物茶入と和物茶入、天目台と天目茶碗そしてお茶杓は竹の止節が大円盆の中に仕組まれます。
天目茶碗を定座に出して窓を見上げると、雪がゆっくり落ちてくるのが見えてきます。
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