風の森通信 第363号
日の丸棗
今日のお稽古で、初めて見るお棗(なつめ)に出会うことができました。
「日の丸棗」というもので、特徴としては内外とも朱塗りの小ぶりな丸棗です。
お塗りは根来(ねごろ)であろうか。
圓能斎(えんのうさい)好みの薄茶器で、めでたいお席や宇宙をテーマにしたお席でお目にかかれると先生に教えていただきました。
そう云われてみると、丸くて朱色に輝くお棗は小さな太陽のようにも見えてきます。
お茶杓を丸上部に置くのも特徴でしょうか、置くのには細心の注意が必要なのです。
帛紗を使い二引きで清めます。
拝見で手にとってみると丸い形なので、お茶室全部の窓の明かりが小さく白く映ります。手の中にあるお棗の中にも一つの小さな世界がありました。
日の丸棗を定座にそっとお返ししたのです。
今日のお稽古は炭所望、和巾点(わきんだて)そして貴人点薄茶。
「お茶杓の銘は」
「松籟(しょうらい)と申します」
吹く風もまだまだ寒いこの季節。
先生のお茶室の近くには松の木があるのでしょうか。
松の木に吹く風の音がお手前をする席まで聞えてきます。
次回のお稽古からはもう大炉の季節です。
そして来週はブログ「風の森通信」がスタートしてちょうど一年目にあたります。
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