風の森通信 第371号
赤楽茶碗
くちびるに赤楽茶碗の厚みよし湯気立ちのぼる二月の茶会
H19.2.23 冨樫
昨日の瑞鳳寺月釜でのお茶碗が心に残りました。
数茶碗として手にすることができたのですが、よく私の手に馴染んでくれました。そのお茶碗の持つやわらかな味わいが、私のくちびるに今も残っています。その時の満たされた感覚は、茶碗の厚さにあったような気がしてなりません。
寒い二月のお茶会だからこそ味わえたやわらかさなのでしょうか。
仙台は昨日と一転して底冷えのする寒い一日となり、快晴にもかかわらず小雪も舞いました。
そんな季節だからこそ、大炉のお点前が暖かさを感じさせてくれます。口の大きな釜からはたくさんの湯気が立ちのぼり、すぐに茶室の空間に消えていくのがよく見えるのです。
湯気立ちて儚く消えるをみているとあたたかきもの心に溜る
H19.2.24 冨樫
点てていただいた筒茶碗からも湯気がみえ、表面にえがかれた梅の花が一層華やかに見えてくるから不思議です。
この寒さがあるからこその楽しみでしょうか。
今日のお稽古は、大炉での後炭手前、杉棚を使っての濃茶点前そして薄茶点前。
炮烙(ほうらく)や雪輪瓦(ゆきわがわら)などのお道具は、この時期にしかお目にかかることはできません。一年ぶりに私のお気に入りの筒茶碗でお薄を点てることもできたのです。
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