風の森通信 第391号
「有備館(ゆうびかん)茶会」
連休後半二日目。
仙台の天気は快晴で、汗ばむほどの陽気となりました。
じっとしていられなくて車を走らせました。
今日訪れたのは宮城県北の岩出山そして川渡(かわたび)温泉、鳴子温泉そして三本木。
最初に訪れたのが有備館。
有備館は、伊達家の武士師弟に教育を授けるために開設された学問所です。
敷地内にある広大な庭園は、石州流三代清水道竿作庭によるもので、屋山を背景とし周囲約500m余の回遊式池泉庭園。
庭園内を散策しようとしたところ、思いがけずお茶会開催の案内が目にとまりました。
庭園の中ほどに浮かぶ御中島(茶島)のお茶室までは池に架けられた橋を進んでいきます。
御中島の周囲の水面には桜の花びらがハラハラと舞い落ちています。
周囲の木々は新緑の季節に移り、そのせいでしょうかあたりの池の色まで新緑の色に染まっています。
うららかな足音は心地よく耳に聞えてきます。
お茶室の障子窓も全て開け放たれ、風を感じながらのお席は普段のお茶室とは違い新鮮な気持ちで臨むことができたのです。
釜を掛けておられたのは裏千家茶道教授名取宗信先生。
床は加納鳴鳳作筆「春惜しむ心に残る夜の雪」
お花は桜草、鯛釣り草そして白根葵の季節の花々。
主菓子は「餡玉(あんだま)」
茶筅を振る音を聞けば息も自然に整ってきます。
息をいっぱい吸い込めば新緑の香りでしょうか、清々しい気分になることができました。
そしてお茶碗の中には新緑のお茶。
こんなに自然を身近に感じたお茶室はこれまであったでしょうか。
新緑の中でいただくお茶は誠においしゅうござました。
名取宗信先生は岩出山在住の先生です。
今回のお席には、名取先生の娘さんそしてお孫さん三代揃ってのお席でございました。
拝見していてほほえましくなってくるとともに、こうしてお茶が次の世代に正しく引き継がれていることに感動すら覚えます。
和やかな雰囲気でお点前が進みます。
左側が名取先生、そしてお点前をされているのはお孫さん。
名取先生そして社中の皆様方、お休みのところお席をご準備いただき誠にありがとうございました。
思いがけずお茶をいただくことができましたこと感謝申し上げます。
名取先生や社中の皆様方とのいい出会いの一日でございました。
岩出山を後にして向かったのが川渡温泉で「くるみ豆腐」おいしくいただいてきました。
その足で鳴子温泉まで足を延ばして足湯に浸かり、名物の「栗だんご」は温かくておいしいものでした。
最後に立ち寄ったのが三本木の菜の花畑。
菜の花畑の中に立っていると、私までもが菜の花色に染まってしまったのです。
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