風の森通信 第399号
瑞鳳寺月釜
日時 平成19年4月23日(月)午前11時00分~
場所 仙台市青葉区瑞鳳寺山内
濃茶席(台目席)
床 鵬雲斎玄室大宗匠筆 閑坐聴松風
心を鎮め閑(しず)かに坐わる。
心を静め坐わればどのように感じるかは人それぞれ。
ストレスの多い現代社会の中に身を置きながらも、茶人はいつも静けさを求められています。このお茶室で客として静かに振舞うことができるでしょうか。
坐っている静寂の中、爽やかに吹きぬけてゆく松風の音だけが聞えてきます。
花 雲龍柳
肥後椿 〔銘〕丹頂
花入 砂張輪花
香合 赤玉
花入の安定性とその色合いは誠に見事なもので、肥後椿の白さが一段と際立ちます。
釜 片身替面取
炉縁 沢栗
釜はおむすびのような容をしていて、いままでみたことがありません。
四方から栗が釜を取り囲みます。
さて、どんな物語となるのでしょう。
水指 志野
茶入 高取 糸目
茶杓 銘 青柳
茶碗 半使写
替 赤
蓋置 青竹引切
建水 木地曲
御茶 淡々斎好 青葉の昔
菓子 春水
菓子器 貝型
水指の透明な乳白色の釉肌と赤褐色の景色が、いろいろなことを想像させてくれるのに十分です。
眼には色そして容姿の美しいものを見せてもらい
耳には松風の音そして鶯の声、お点前の席からは茶筅の音、釜からは湯のにえる音
鼻には清々しいお香を聞き
舌には香ばしい青葉の昔
手には名品といわれる数々のお道具の感触
S先生の心のこもったおもてなしと季節感そして感性
誠に得難いひとときでございました。
薄茶席(海眼閣)
床 橘宗義和尚筆 一華開五葉。
花 花筏
延齢草
花入 伊部耳付
香合 花喰鳥
釜 古天明筋釜写
炉縁 根来
棚 山雲
水指 桶側
薄器 扇面蒔絵大棗
茶杓 銘 花開く
茶碗 出雲
替 乾漆雪月花
蓋置 三瓢
建水 高取
御茶 鵬雲斎大宗匠好 青松の白
菓子 うららか
菓子器 片木目溜四方盆
一華五葉を開く。
一つの華も五葉も、今この時この場所でありのまま。
季節の銘のお道具が並びました。
A先生の知性、素晴らしいお道具と遊び心、そして清々しい気候と三瓢(拍)子揃ったお席でした。
それらを思う時、日本文化のひとつである「花鳥風月」がお席のテーマではなかったかと思っております。
瑞々しさが感じられるお席だったのです。 (冨樫)
【参加した会員の皆様からの感想】
心尽くしのお茶会、和やかに良き時を味わうことができました。
お濃茶席の一輪の椿のかわいらしさ、そして薄茶席の花筏の控えめな白い花の清らかさ。
花の種類は違えど、どちらの華もそれぞれ美しく咲いておりました。高価なお道具を直接手にとって拝見できたことも貴重な経験でした。(和)
花冷の一日でしたが、山内の鶯の声を聞きながら桜の花の散る光景をみることができました。
今でも目に浮かんでまいります。
この光景を和の学校仙台分校会員のみなさんと一緒に、共有させてもらったことに感謝しております。
私にとってもお茶会は「知らないことを知る」という機会です。
濃茶席のS先生そして薄茶席のA先生には感謝申し上げます。(白)
先生方のお茶席を楽しみにされ、流派を超えて神戸や東京から参加されていた先生方がおられたのにはびっくりしております。
改めてお茶会ではいろいろな出会いがあることを知ることができました。春の日の楽しい一日でした。(阿)
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