風の森通信 第436号
春蘭茶会
・日時: 平成19年9月30日(日)10時30分~
・場所: 仙台市泉区高森市民センター2階和室
・主催: 茶道サークル春蘭(裏千家)
茶道サークル「春蘭」は、高森市民センターで月に2回のお稽古をしている茶道サークルです。
地元裏千家のS先生のご指導のもと、春夏秋冬の時の流れを茶道のお点前、お花、お菓子などでゆったりと五感に触れながら楽しくお稽古をしています。
今年も高森市民センター祭にあわせてお茶会が開催されました。
薄茶席(立礼・点茶盤)
床 大徳寺黄梅院 小林太玄師筆 旅心
彼の山へ到るに道は遠けれど一日一日を尚も旅行く
光り輝く円相の中に尽きせぬ旅心の歌が詠まれていて、みる者の期待が高まります。
花 莢(がま)ずみ、秋明菊、銀水引
花入 ポルトガル
梅雨の時期に白い花を咲かせていた莢ずみの実は、この季節赤くなって印象に残ります。
花入れは大振りで白と藍の色がすっきりしていて、季節の花々が鮮やかに輝いています。
香合 チェロ
香合といってもそこにはミニチュアのチェロが飾られ、中にはサムサラの香水が納められておりました。
インドの香りとのことで、白檀のような香りがしてまいります。
香りもお客様に楽しんでいただこうという心遣いには、ただただ驚かされます。
席主のS先生から今日のテーマは「アラウンド・ザ・ワールド」と教えていただきました。このお席で世界中を楽しんでいただこうというもの。
風炉釜 霰真形釜・唐銅朝鮮風炉
水指 フランス リモージュ窯
杓立 グラナダ文様
薄器 金輪寺 三景蒔絵
茶杓 前大徳三重玉龍禅寺 戸上明道師作 銘 瑞雲
茶碗 唐子遊
替 子午線
建水 グラナダ文様
蓋置 オランダ デルフト窯
御茶 翠芳の白
菓子 かぜまかせ
菓子器 ハンガリー ヘレンド窯
主茶碗は唐子遊でそれぞれ松竹梅の枝を肩に掛けて遊んでいるもので、地肌が朱色と楽しむことができました。
次茶碗は子午線。
目出度い瑞雲に乗って子午線を境に地球を一周です。
蓋置はデルフト窯で元はといえば蝋燭立てとのこと。それは世界中の子供たちが手を取り合い平和を願っているようです。
先生の帯もご覧のとおりでインド象が描かれていました。
水次はイギリス製で、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」の絵が描かれています。
シェイクスピアの「真夏の夜の夢」で、チェロの曲といえば「セブンスブルー」であろうか。後日S先生に詳しくお尋ねしなくてはなりません。
数茶碗は「十牛図」
禅において悟りを牛に例え、修行の道程を表現するために用いた説明図で、お客のお一人お一人がそれぞれの道程の絵のお茶碗を手にしていただくことができました。
この道程とは、禅に限らず茶道やその道を求める者にとって、共通のものとして大きな影響を与えてきたものです。
牛を捕らえた時は悟りを得た時、その時は牛と人間が同化しているといわれています。私が手にした茶碗は「見牛」で木の陰に牛の半身だけしか見つけることができました。牛の一部を見つけただけでは全てを見たことにはなりません。
まだまだ初期の段階でこれからが大変のようです。
お隣どおしで見せ合ったりと楽しいひとときでした。
他にS先生から「関」についても丁寧に教えていただくことができました。
感謝申し上げます。
お正客様以外のお客様には影出しではなく、客席の右側でお二人の会員の方々に一碗ずつ点てていただくことができました。
なかなか拝見することのできない光景です。
同じ釜で点て、お客様お一人おひとりにのんでいただこうという心配りが有り難いものでした。
私たちお客様を世界の旅にご案内をいただき、そして一人ひとりが楽しむことができたお席でした。
さてさて、このお席で何カ国を旅したことになるのでしょう。
日本を発って、中国、インド、ポルトガル、スペイン、フランス、イギリス、ハンガリー・・・もっとありましたでしょうか。
月釜とは違った本当に楽しいお茶会でした。
茶道サークル「春蘭」だからこそのお茶会。
お道具も見立てでとても楽しめるお道具ばかりでした。
このようなお茶会は、これまでまったく経験したことがありません。
私は孫悟空になって世界を旅し楽しむことができました。
是非来年も春蘭茶会に伺いたいと思っております。
春蘭会員の皆様、どうぞお疲れ残りませんように。
またこのお茶会で、和の学校仙台分校設立準備室のTさんご夫妻そして二人のお子様たちともご一緒させていただくことができました。お茶会をとおしての会員同士の出会いもまた楽しみなことでございます。
手作りクッキーまでいただき恐縮です。
おいしゅうございました。
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