風の森通信
「和の文化」(茶道、短歌、俳句、東北の四季・歳時記)発信ブログ
風の森通信 第448号

瑞鳳寺月釜


・日時:平成19年11月23日(金・祝)午前8時30分〜
・場所:仙台市瑞鳳寺山内
・主催:淡交会宮城支部

 昨日の仙台市内は小雪が舞い、もう冬に変わりつつある季節の気配。
11月の中旬だというのに小雪が舞うのも何年ぶりでしょうか。
寒い冬の予感です。

海目閣(薄茶席)
 
    主       裏千家 猪股宗鶴 氏

    床       鳳雲斎大宗匠筆色紙 安分以養福

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    花       小楢、嵯峨菊
    花入      黒釉縞瓢
    香合     仁清写   色絵 辻堂

    風炉先    緞子縁
    釜       松地紋立口平丸
    炉縁     鳳雲斎大宗匠好  遊具蒔絵
    棚       大内棚
    水差     染付
    薄器     紫舟蒔絵平棗
    茶杓     大龍老師作 銘 蔵王の峰
    茶碗     大樋 銘 山景
      替      乾山写 菊の絵
      蓋置    鶴
      建水    毛織菊彫
      御茶    芳水の白       井ケ田園詰
      菓子    吹き寄せ         賣茶翁製
      菓子器  蓑

 安分は安心と同じで、養福は善行を養い行うこと。
真の安心というのは、日々の行為の中で実現されていくということでしょうか。

 席で使われたお棗とは別に、棚に荘られていたお棗はアメリカ人のお作とのこと。

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大胆に簡略化された二人の人の顔で髪は金髪です。
帛紗で清める時につい声を掛けてしまいそうです。
猪股先生のお洒落な心のおもてなし。
瓢阿造の菓子器蓑の中には、木枯らしが集めた紅葉や銀杏、松葉、松笠などが入れられ晩秋の風情です。

 先週のお稽古は四畳半平花月。
四畳半での花月は初めてのこと、いろいろと勉強になるものです。
今日のお稽古は真之行台子。


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風の森通信 第447号

秋の「しばた茶会」


   日時:平成19年11月11日(日)午前10時30分〜
   場所:宮城県柴田町 如心庵
   主催:柴田町民茶会運営委員会

 如心庵は織田有楽斎(1547〜1621)がつくった茶室国宝「如庵」の写しです。
平成6年4月、しばたの郷土館内に開席されました。
柴田町のほぼ中央あり、月釜をはじめ町民のお茶会などに広く利用され親しまれています。
下の写真は如心庵の腰掛待合からの眺め。

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静かに雨にぬれる紅葉の風情が深閑としていて、心洗われるものです。

濃茶席
     主  裏千家 高橋 宗喜 氏

・寄付 床  大道和尚絵賛 栗絵 深秋
・本席 床  耕月和尚筆  松無古今色   
     花  初嵐
     花入 淡々斎好 鶴首
     香合 坐忘斎家元好 大樋 亀甲

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 松に古今の色無し
めでたい常磐木の松を讃えた語。
松の緑は四季を通じ、千歳を経ても変わることなく常に青々とした緑の葉を茂らせ、万古不易の常緑を尊びます。

 花は椿で初嵐。
六角の鶴首に入れられ楚々とした花でございました。
蕾は極薄いピンク色で、咲ききると白色になるといわれるもの。
少し咲きはじめていて一重中輪でラッパ咲き、花びらが少し波打っておりました。冬が早く訪れる東北では、これからの季節ちょうど咲きはじめてくれます。

 茶道口からみた点前座。

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炉の前かどに中柱を立てて、板をはめ込み、火頭形にくりぬき明かりを入れているのも特徴でしょうか。

釜      阿弥陀堂
水差    唐津
茶入    朝日 鹿背
茶杓    誠堂和尚作 銘 慶雲
茶碗    萩
 替     赤
 蓋置   竹一双の内 大亀和尚在判
 建水   毛織
御茶    瑞仙の昔     井ケ田園詰
菓子    山路         日下菓子店製

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 他に茶道口の右手には鱗板(うろこいた)、左手には洞庫(どうこ)が備え付けられています。
窓としては、下地窓、下地丸窓、突上窓、連子窓(れんじまど)、有楽窓(うらくまど)など室内に入り込む光りの量をいろいろと工夫されているのも特徴のようです。
壁面には古暦が使われいて、席入した場所の暦を読んでみる楽しさもあります。

 近くにある船岡城跡公園では例年菊祭りが開催されておりましたが、今年から取りやめになったとのこと誠に残念なことです。
しかし広間薄茶席の玉川遠州流伏見晋沖先生のお席では、たくさんの菊の花のお道具が並び、楽しまさせていただくことができました。
おいしいお茶をいただきながら、柴田の町の晩秋を楽しむことができたのです。  (冨樫) 


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風の森通信 第446号

茶名拝受


  本日、坐忘斎お家元より「宗通」という宗名をいただくことができました。
念願であった茶名拝受の夢がかないました。

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 身にあまる光栄と同時に、身の引き締まる思いでございます。
これもひとえに斎藤宗紀先生の、これまでの温かいご指導のおかげによるものと思っております。
厚く厚く御礼を申し上げてまいりました。
流れるような所作の美しさ、そしてその雰囲気やお茶の味に魅せられたこと。季節ごとのお花やお軸、お茶杓やお茶碗の銘に興味を持ったのが茶道を始めるきっかけでした。
斎藤先生の門を叩いてから早いもので五年が経ちました。

 「許状によって私は何を許してもらえるのでしょうか」
 「入門することです」

 お茶の心得などまったくなかった私にとって、斎藤先生というすばらしい師匠に出逢うことが出ましたこと、この上ないありがたさと幸せを感じております。これからもこの慶びを胸に、さらに精進を積んでいく覚悟でございます。
死ぬまでお茶を愛していきたいと思っております。

 斎藤先生からはお祝いとして、初炭手前そしてお濃茶をいただいてまいりました。
お祝いの品までいただき恭悦至極に存じます。


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風の森通信 第445号

銘 「行く秋」


 この一週間で多くの方々からメールやコメントを頂戴しました。


    「行く秋」という主菓子(おもがし)はどのようなものだっ
    たのでしょうか?

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 「行く秋」という主菓子は、11月3日に開催された東北大学主催の「紅葉の賀」の野点席でいただいたお菓子の銘(めい)です。
今の季節の名をそのまま使った主菓子。
それは紅葉の葉が下に見え、表面にはうっすらと霜がおりている景色のお菓子でした。
席入したのが最後の時間ぎりぎりということもあり、すぐに出されて写真を撮る暇もなくいただいてきました。
その後多くの方々に、ブログ「風の森通信」やmixiの「日記」の会記を見ていただき「行く秋」の銘に興味を持っていただいたようです。

 お菓子に銘が付けられることで、私たちは想像を膨らませることができます。
銘には季節の移ろいや、お茶会が開催されるまでのストーリーが存在するものです。
「行く秋」という銘の持つ寂しさや、ものの憐れが心の中に浮かんでまいります。銘のイメージが、私たち一人ひとりの心の中で広がっていってくれます。
その主菓子に込められた銘によって、私たちをその世界に引き連れていってくれるのです。
池に石を投げ入れた時の波紋のようなものでしょうか。
銘の持つ意味。
その銘だけが持つ言葉の響き。
銘による季節感。
いろいろなことを連想させてくれます。
それはまさに銘というものが点となり、そして広がっていく様子を私たちは楽しむことができるのかもしれません。

 今日のお稽古は長板総荘にて初炭手前、濃茶点前そして薄茶点前。
床には壷荘が設えられ私たちを迎えてくれました。

 明日は和の学校仙台分校設立準備室「お茶を楽しむ会」の例会が開催されます。
宮城県柴田町「如心庵」(国宝如庵の写)で席入をしてまいります。どんな出会いが待っているのか今から楽しみです。


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風の森通信 第444号

紅葉の賀(もみじのが)


・平成19年11月3日(文化の日)
・東北大学植物園

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野点席

  主    岡崎宗澄氏

  床    泉田凌雲老師筆  短冊  挙頭見秋山
  花    嵯峨菊
  花入  備前      徳利

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  釜    車軸      淡々斎好
  水指  赤志野     織部蓋
  薄器  古瓢      菊桐蒔絵
  茶杓  小森松菴作 銘 杣人
  茶碗  赤       銘 雁来紅
   替   紅葉絵
   替   信楽      土の子窯
  蓋置  雲華
  建水  芒絵
  御茶  綾の森
  菓子  行く秋

 お点前をされている方の所作を見ていると、周囲の光景が意識の中から消え、聞えていた物音まで聞えなくなってくるものです。
私自身、心の中で同じお点前の所作をしていたからでしようか。
お点前の所作は、静寂を保つための一つの手段なのではと思ってしまいます。
静かにそしてさりげなく進んでいく振る舞い。
それでありながら「華」のあるお席だったのです。

 秋は当然のことながら夏と冬の間の季節。
日本は世界の中でも類をみないほど、木々の葉が紅葉する地帯に位置しその期間も実に長いようです。
日本に比べ秋が短いといわれるフランスでは、夏と冬の大きな季節の間にくっついたような短い期間。
シャンソンの「枯葉」や、ボードレールそしてヴェルレーヌの「秋の歌」からは、秋を楽しむというより寂しさや別れのイメージが付きまといます。
「枯葉」の一節です。

     ねぇ、僕は忘れていないよ
     枯葉がシャベルで集められている
     思い出がそれに後悔もね

 日本の秋といえば紅葉。
これからの季節、霜を経た葉は春のどんな花よりもくれないに輝きます。
目を射すほどのくれないの色。
何時の頃からでしょうか「紅葉前線」という言葉をよく耳にします。
紅葉については万葉の昔から歌にも詠まれ親しまれてきました。
源氏物語の中に「紅葉の賀」があったり、能や歌舞伎の舞台にも「紅葉狩り」があります。
近年、文部省唱歌の中に「紅葉の歌」もあり、日本人の生活の中に秋は深く係わってきました。

 東北大学植物園内では多くの木々が紅葉し、五感で季節の移ろいを感じることができました。
野点のお席では、お道具によって想念することで心の中でも季節の移ろいを感じ取ることができるものです。
こうして今年もまた紅葉を祝い、思う存分秋を楽しむことができたのです。

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   塵外の紅葉の園に一会の茶           岡崎宗澄

   せきたてることなき一日(ひとひ)紅葉の賀  冨樫通明


 同時に開催された「紅葉の賀俳句会」では、岡崎先生そして私も紅葉の賀奨励賞をいただいてまいりました。

 明日は斎藤宗紀社中の炉開きです。
久しぶりに紋付袴で伺います。


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