風の森通信 第466号
六華天目釉蓋置
蓋置にひとつの宇宙頂きぬ H20.2.10 冨樫通明
六華(りっか)天目釉蓋置
六華窯 岩井純作
昨年末のこと、一個の宅配便が届いた。
送り主は仙台市青葉区六華窯の岩井純氏。
中身は蓋置であった。
手にとるとそこにはひとつの宇宙が広がっておりました。
見方によっては天空に広がるオーロラとでもいおうか。
何度も手の中で拝見させていただいた。
宇宙の中にその輝きは無限に在りながら、深遠で豊かな美がそこには表現されています。
星や宇宙をテーマとしたお茶事には是非つかわせてもらいたいものです。
河北新報に同氏の作品に対する記事が掲載されておりましたのでご紹介したい。
河北新報 平成19年7月3日
七夕にちなみ、星の話。
いまは「わし座」の一部になっているが、八十年ほど前まで「アンティノウス」と呼ばれた星座があった。ローマ皇帝ハドリアヌスが、愛した美少年の死を悼み、その名を天上に残したという。二世紀初めの話だ。
イタリア人に愛され続けているその星が、陶芸家岩井純さん(仙台市)の作品によみがえったと聞いた。岩井さんは長く民間の日伊交流にかかわっている。その縁で、五月にローマで開かれたイベントに新作を持ち込んだ。黒と群青の中に銀色の結晶を浮かべ、白い線を放射状に咲かせた幻想的な作品だ。
星の誕生や宇宙の広がりを思わせる作風に、イタリア人は美少年の逸話を重ねたのだろう。「これはアンティノウスの星だ。イタリアでは、この名を使うといい。」
二千年近い時を結ぶロマンあふれるエピソードだ。
昨年の10月、仙台市のデパートで「岩井純ローマ個展記念展」が開催されました。
会場をご案内していただいた岩井純氏と奥様の写真。
手前のテーブルの上には青いバラが飾られておりました。
これからも岩井氏の多くの作品が楽しみでございます。
■「風の森通信」、「岩井純ローマ個展記念展」関連ブログ
http://kazenomorituushin.blog50.fc2.com/blog-entry-173.html
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