風の森通信 第480号
逐雲飛
逐雲飛
雲をおうて飛ぶ
先日親しい友人宅に伺った時、待合で思いもよらぬお方の色紙を拝見することができました。
第六十六代内閣総理大臣三木武夫氏の筆によるもの。
三木総理大臣といえば「青天の霹靂」という言葉が思い出されます。
在任期間中、内憂外患の中にあってどんな思いで筆をとったのでしょうか。最高の地位に就任した政治家であっても、雲を追いたいと思うほどの見果てぬ夢がまだあったのだろうか。
そんな折、千葉の友人から一枚の写真が届きました。
青天の中に桜の花と流れる雲が写っています。
「おーい雲よ、私も一緒に空を飛んでみたい」
枝の一番先に咲いた桜の花がそう言っているように思えます。
真っ青な空の中に桜の花のくっきりとした白、そしていまにも消えゆきそうな白い雲。
雲は絶えず動きながら留まることを知らない。
桜の木は一歩も動くことはかなわない。
この季節、色紙「逐雲飛」と一枚の写真は私にとって一つの出会いです。
今日のお稽古は、透木釜を使った台子での後炭、行之行台子そして台子薄茶点前。
来週は且座之式と齋藤先生から予告がありました。
どんな役目を仰せつかるのか今から楽しみです。
炉を使ったお稽古は来週でしばらくお別れとなります。
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