風の森通信 第481号
龍生派いけばな展
・龍生派宮城支部いけばな展
・平成20年4月16日(水)~21日(月)
・仙台市青葉区さくら野百貨店仙台店
開場は古典華や生花を中心に飾られ、日曜日ということもあってか多くのお客様で終日にぎわっておりました。
開場に入るとテーマ毎のコーナーが設けられ、作品が互いに競い合いながらそのテーマを創り上げている配置はなかなか面白いものでした。
今回は後期の華展を拝見させていただくことができました。
いつもお茶室で茶花を拝見する機会だけの私にとって、今回の華展は新鮮で刺激的なものとなりました。なかでも「凸へのアプローチ」、「複数の花器」というコーナーで素敵な作品に出会うことができたのです。
花だけではなく、普段私たちの身のまわりにある素材が花々を美しく引き立てていることに驚かされます。そして一つひとつの作品にストーリー性を感じられるのも今回の華展の特徴でしょうか。
花は野にあるようにだけではなく、花をより美しく見せながら想像性を膨らませてくれる作品が多く展示されておりました。
■「凸へのアプローチ」
・佐藤秋華先生
黄色は月のイメージでしょうか。
丸い黄色の筒に8色のテープが巻きつけられています。
花はアロエの葉が2枚。
一番手前に巻きつけられているテープの色が緑色。
これからの新緑の季節を感じさせてくれます。
上下に流れるテープは風を表しているのでしょうか。
季節感そして大きな風の流れを感じることのできる作品でした。
・高橋玉穂先生
鮮やかな青は水そして初夏のイメージでしょうか。
作品の左上部にアイリスの花が配されていて、その色から強い生命力を感じとることができます。
上からの白い網が流れ落ち立体感を創り上げながら、作品全体を包み込むかのように見えてきて、一つの大きな滝を連想させてくれます。
白い網の目のサイズとアイリスの花の大きさがバランスよく、作品全体が造る影も面白く映って、見る人の眼をその奥深くまで引き込んでいく作品でした。
■「複数の花器」
・清水みき子さま
上へ伸びる直線的な作品の中の下段と中段に咲き誇ったように花が配置され、品格のある作品に仕上がっています。
それに半円の花器にマッチした構成と全体的に優しさが伝わってくるものでした。
花、素材それらを自由に組み合わせながら季節の美しさを表現したり、想像する楽しみのある作品が多い華展でした。
来年もまた拝見したいものです。
和の学校仙台分校へどうぞ
テーマ : 和風、和物、日本の伝統
ジャンル : 趣味・実用