風の森通信
「和の文化」(茶道、短歌、俳句、東北の四季・歳時記)発信ブログ
風の森通信 第497号

「すぐり」の季節


 「すぐり」は樹高の低い灌木性果樹。

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木々の緑も濃くなってくると、その赤い実がよく目につくようになってきます。
ちょうどさくらんぼの収穫が最盛期に入る頃、庭では「ゆすら梅」や「すぐり」が小さな赤い実をたくさん付けてくれます。家の庭で毎年結実してくれるのは赤色種で、とげがないので「ふさすぐり」
粒の大きさは五ミリ程度の小さなもの。
おいしそうな色についだまされてつまんでみると、房酸塊と書くだけあって酸味が強いものです。でも口にふくめば不思議なことに、一瞬で子供の頃にタイムスリップしてしまいます。

 カメラを持って庭を一巡りしてみました。
いたるところに紫や白の「蛍袋」が今を盛りと咲いています。

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その名前が面白かったので、子供の頃からよく覚えている花です。
蛍を捕まえて家に持って帰るとき、この花を虫篭代わりにでもしたのでしょうか。でもこの袋の中に蛍を入れた記憶はありません。
暗闇の中で、袋に入った蛍のひかりを想像してしまいます。


 今日のお稽古は、盆点そして薄茶貴人点

   「お茶杓の銘は?」
   「楫枕(かじまくら)と申します」

お稽古仲間のTさんが答えてくれました。
梅雨の季節の船旅は心もとないもの。
今日のTさんの心情はいかがなものだったのでしょうか。

  
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風の森通信 第496号

さくらんぼ茶会


  和の学校仙台分校「お茶を楽しむ会」第36回例会を、山形県寒河江市の「臨川亭(りんせんてい)」で本日開催してきました。
この時期の例会はちょうどさくらんぼの最盛期で、いつも「さんらんぼ茶会」として開催しているものです。
お茶室の北側は雪解け水を多く含んだ寒河江川が流れ、西には1,984メートルの霊峰月山が見えます。

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さくらんぼを求めて多くの観光客が訪れ、道の駅近辺はおおにぎわい。道の駅の西側にお茶室があるため、観光客の皆さんも気軽に席入されておりました。

席主の武田宗泰先生からコメントをいただきました。

  涼を求めて
   生命をはぐくんでくれる水
   茶の湯になくてはならない水
   今日は霊峰月山の名水でお茶を点てさせていただきました
   故郷の大きな恵に感謝しております

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お菓子は地元菓子店の「紫陽花」が出されました。

 例会の後は近くのさくらんぼ園に行き、例会参加者全員でさくらんぼ狩りです。
甘くておいしい”ちっちゃな恋人”さくらんぼ。
みんな無口になって種を飛ばしながら食べてきました。
例会の模様は後日改めて、和の学校仙台分校ホームページやブログ「風の森通信」でご報告とさせていただきます。

  
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風の森通信 第495号

さみだれ


   あなたからきたるはがきのかきだしの
         「雨ですね」さう けふもさみだれ   松平修文

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この季節になるといつも思いだす歌です。
雨の文字以外はすべてひらかな。
雨は万物に優しく降り続きます。

 この短歌との出会いはずっと昔のこと。
短歌同人「楕円の森」の仲間達と吟行会にいった時、先輩からいただいた短冊に書いてあった歌です。
梅雨の季節は、じめじめとしてうっとうしい季節とばかり思っていましたが、この歌を知ってからこの季節への思いが一変しました。
春から夏への季節の変化を和らげるために、この梅雨の季節がなくてはなりません。
梅雨の季節も優しく迎えてあげましょう。

 私の「お大事箱」にしまってあるその短冊を取り出してみました。
一年ぶりの短冊です。

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松平修文の短歌の中で、梅雨にまつわるもう一首の歌も私は好きです。

    梅雨の街をとほりこちらへ来るひとの
               赤き傘二階の窓より見えて


仙台は梅雨に入って三日目。
今日も雨は降るのでしょうか。
岩手・宮城内陸地震の被災地だけは、雨がなければと思っております。



 今朝、新聞でアメリカの絵本作家ターシャ・テューダーの訃報を目にしました。
92歳、私の大好きな絵本作家がまたひとり亡くなってしまいました。哀悼の意を表したいと思います。

 今日のお稽古は、炭付花月、濃茶付花月そして平花月。
床は「清流無間断」、花は山紫陽花そして露草。
私の好きな紫陽花が咲く季節となってきました。
明日は、和の学校仙台分校「お茶を楽しむ会」6月例会で、山形県寒河江市のお茶室を訪問してきます。
おいしいお茶をいただいた後は、サクランボ狩りをして楽しんでまいります。
       http://www18.ocn.ne.jp/~kaze001/cha_houmon.htm

  
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風の森通信 第494号

杜の都大茶会


 ご報告が遅れておりましたが、和の学校仙台分校「お茶を楽しむ会」第35回例会のご報告をいたします。

・ 日時   平成20年5月24日(土)午前9時30分〜
・ 場所   仙台市青葉区勾当台(こうとうだい)公園
・ 主催   杜の都大茶会実行委員会、宮城県芸術協会

 万緑の仙台。
勾当台公園のすぐ近くにある定禅寺通りを歩けば、欅の樹海の上をすがすがしい風が通り過ぎていきます。
さまざまな緑の色は、重なり合ったり離れたりしながら輝き続けます。
そんな季節に第13回「杜の都大茶会」が、宮城県庁前にある勾当台公園で土・日の2日間にわたり盛大に開催されました。

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 仙台では藩祖伊達政宗公以来盛んに茶の湯が行われ、歴代藩主もまた茶室を造り家臣らを招いてたびたび茶会を催したといわれています。
その流れは現代にも受け継がれています。
宮城県芸術協会茶道部連盟の下、県内の13流派は抹茶・煎茶の野点席でそれぞれ趣向をこらし毎年お客様をお迎えしています。
今年で13回目となる「杜の都大茶会」は、市民の皆様方にもすっかり定着し、気軽に参加できるお茶会として毎年一万人近くのお客様でにぎわいをみせます。

     一服のおもてなしに宿る ” ひと もの こころ ” 

■立礼席
 主    武者小路千家宮城官休会  若林 守有 氏
 床    色紙  不徹斎筆  雲水山岳青

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雲も水も流れ去り、空が晴れ渡ればそこには青い山並み。
雲や水などの一切の迷いが去った後、そこには青々とした光を放つあるがままの山の姿が見えてくるという。
仙台の青葉の季節に相応しい色紙でした。

 花     利休草、蔓鉄線、姫紫苑
 花入   鈴                 貞光造

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花入れも鈴という珍しいもの。
花入の中にはなにもなく、それぞれの花がだだ入れられているだけというものでした。
竹の太さと鈴のバランスがよくとれ、花入の中央に露を含んだ花々が配されていて、初夏の野にある花の風情です。

 風炉   
   釜   朝鮮切合            紹栄造
 水指   辰砂               小林潤呼造
 茶器   あやめの絵         加藤自呂造
 茶碗   印毛目            三浦飛白造
  替    真葛 源氏車        香斎造
 茶杓   大亀老師作 銘 清風   
  蓋置  淡紫交趾   青海波    一如造
  建水  沢栗              治造
 御茶   祥寿の代          よろづ園
 菓子   青梅             玉澤総本店

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茶器は仙台の蒔絵師加藤自呂造、あやめの絵が描かれ蓋の裏まで細やかな筆遣いです。
拝見する角度によってその輝きが違って見えてきます。

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蓋置は淡紫交趾(こーち) 青海波。
青海波とは扇状の波を交互に重ねた文様のこと。
青い海からは幸福がもたらされるといわれ、昔から吉祥の意味のある文様で、おめでたい席に用いられてきたものです。
武者小路千家宮城官休会が宮城県芸術協会に加盟されてちょうど10年目。
おめでたいお席でおいしいお茶をいただくことができました。

 当日は他に6流派(裏千家、江戸千家、煎茶三彩流、織田流煎茶道、大日本茶道学会、玉川遠州流)で釜が掛けられました。
 裏千家席でも朝から多くの市民の方々でにぎわっておりました。
そのなかで初心者を対象にした体験コーナが設けられました。

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盆略点前で実際にお茶を点てていただこうというもので、OLや学生そして子供たちまで参加して大変好評でした。
緑深まったのこの季節、体の外そして体の中まで緑色に染まった一日だったのです。 (冨樫)


【参加した会員の皆様からの感想】

 いろいろな流派のお席を、一度に拝見できる機会がなかなかありませんでした。
私が参加したのは裏千家席と三彩流のお席だけでしたが、お花やお道具など季節の趣向が出ていて楽しくお茶をいただくことができました。
あまりにも多い参加者なので待ち時間が長かったように思います。できれば待ち時間を短かくしてもらえれば、もっと他のお席もゆっくり回りたいと思いました。(由)

 帛紗の捌きかたが流派によって違うということがよく分かりました。それぞれ個性のあるものでしたが、おいしいお茶をいただくのはまったく同じですね。
いろいろなお席を楽しく拝見することができました。(山)
 

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風の森通信 第493号

地震あり!


 宮城県沖地震以来の大きな揺れでした。
私の住む仙台市泉区は震度5弱。
家族は全員無事です。
多くの方々からメールやメッセージをいただき感謝申し上げます。

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被害は本棚に飾ってあった埴輪の人形が一つ壊れただけで、ほとんど被害はありませんでした。
新幹線や地下鉄などの公共交通機関は総てストップしていたり、一般道も大渋滞とのこと。でも電気やガス水道も問題なく利用できており生活には不自由なことはなにもありません。
地震の発生が日中だったことが幸いしていて、不安もなく自身に対応できたと思っています。
それに緊急地震速報があったり、会社からも地震発生後すぐに安否確認のメールが到着したり、地震の詳細が報道されるなどその意味では昔と大きく様変わりしていることに一安心です。
今助かっているのは、NTT災害用伝言ダイヤル「171」やNTTドコモの災害用伝言サービスの活用でしょうか。
こんな時はありがたいものです。
余震が何度も来ています。
しばらく様子をみたいと思います。



 今日は地震だからお稽古はないだろうと思い、念のため齋藤先生のお宅に電話したところ「庭の石灯篭が倒れました」とのこと・・・やはり今日は休みかと思いきや「通常どおりはじめます!」慌てて車を走らせました。
社中の皆様方は全員無事。
石灯篭も齋藤先生のご主人がまた建て直されるたとのこと。
渡部先輩曰く「私の家が古いので震度5で潰れるかと思いましたよ・・・」何事もなくよかった、よかった!

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 今日のお稽古は茶通箱、薄茶茶筅荘り、余震に怯えながらのお稽古も記憶に残るお稽古になりました。

 「お茶杓の銘は」
 「無事と申します」

本当に皆さま無事でよかった。
写真は鮎篭に入れられた「蛍袋」もうすぐ夏至ですね。


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風の森通信 第492号

輪王寺月釜


 雨は大地を潤し、樹木草花を育み、緑に輝く地球を作りあげています。

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輪王寺待合から眺める景色の緑は、何種類の色で構成されているのでしょうか。露地もまだ雨に濡れていて仏の世界を垣間見ているようです。

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・平成20年6月1日
・仙台市青葉区輪王寺 半杓庵
・淡交会宮城支部    岡崎 宗豊 氏

■濃茶席  
   
 床       宙宝宗宇筆   雲深不知處
 花       大山蓮華
 花入      竹一重切     和敬清寂の心
          歌銘 よのうさをうしと思ほで庵の中
                   住むもしずけき 松風の音
 香合     山雲蒔絵
 釜      八陵
 風炉     土 利休面取
 水指     舞子蛸壺    銘若葉の陰
 茶入     瀬戸肩付
 茶杓     又玄斎一燈作 銘岩井
 茶碗     御本       銘みちの久
  替     萩
  蓋置    竹一双の内
  建水    唐銅箪瓢 
 御茶     青葉の昔     大正園詰
 菓子     水無月      賣茶翁製
 菓子器   九谷重菓子鉢

■薄茶席  
   
 床       淡々斎筆 竹画讃   雨洗風磨
 花       赤しょうま、燕尾仙翁、山紫陽花
 花入      手付瓢籠

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 香合     桐団扇葦水蒔絵
 釜      雲龍
 風炉     唐銅雲龍
 棚      尚古棚
 水指     水草絵
 薄器     夕顔蒔絵大棗
 茶杓     小森松菴作    銘蛙声(あせい)
 茶碗     朝日 松絵讃
  替     赤
  蓋置    交趾蟹
  建水    高取 
 御茶     翠芳の白      井ケ田園詰
 菓子     滴露        賣茶翁製
 菓子器   銀黒彩泡文様四方皿
                    鍋田尚男造

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私がいだいたお菓子の器はご覧のようなビビットブルー
主菓子の「滴露」をいただく時は、まるで水の底に沈んでいるお菓子を取り上げるような感じがしたほどです。
このような菓子器に出会ったのは初めてのこと。
「滴露」という銘のお菓子は形が雨の滴でした。
大きな滴、味は杏だったでしょうか。
お席のテーマはきっと「雨」だったのでしょう。
入梅のこの季節、両席で雲をそして雨を楽しむことができたのです。
 

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風の森通信 第491号

水無月


 梅雨空の六月
「梅花空木(バイカウツギ)」の白い花が庭隅で咲き出してきました。
大事なものを包みこむかのように花は開き、はたしてどんな夢を見るのでしょうか。

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六月は、じめじめとして敬遠されがちな季節。
在る物にそして生きる者たち総てに雨が降りそそぐ季節です。
日本は四季のある国といわれますが、この梅雨の季節も入れて五季にしてもいいくらいの、特色ある期間だと思いませんか。
見渡す限りの光景を、濡れ色の潤いに包み込んでくれて心落ち着くものです。
梅雨は常の客。
日本人にとって梅雨はなくてはならない季節です。
あたたかく迎えてあげましょう。

 今日のお稽古は第一週目なので小習です。
床には「時」の色紙が荘られました。
「炭所望」「長緒茶入」「入子点」
 おもてなし・・・
お客にいいおもいをさせること、裏を返せば恥をかかせぬこと。
お点前の一つ一つがおもてなしのかたち。
拝見しているだけでも有り難いと思う瞬間です。
 

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