風の森通信 第492号
輪王寺月釜
雨は大地を潤し、樹木草花を育み、緑に輝く地球を作りあげています。
輪王寺待合から眺める景色の緑は、何種類の色で構成されているのでしょうか。露地もまだ雨に濡れていて仏の世界を垣間見ているようです。
・平成20年6月1日
・仙台市青葉区輪王寺 半杓庵
■濃茶席
床 宙宝宗宇筆 雲深不知處
花 大山蓮華
花入 竹一重切 和敬清寂の心
歌銘 よのうさをうしと思ほで庵の中
住むもしずけき 松風の音
香合 山雲蒔絵
釜 八陵
風炉 土 利休面取
水指 舞子蛸壺 銘若葉の陰
茶入 瀬戸肩付
茶杓 又玄斎一燈作 銘岩井
茶碗 御本 銘みちの久
替 萩
蓋置 竹一双の内
建水 唐銅箪瓢
御茶 青葉の昔 大正園詰
菓子 水無月 賣茶翁製
菓子器 九谷重菓子鉢
■薄茶席
床 淡々斎筆 竹画讃 雨洗風磨
花 赤しょうま、燕尾仙翁、山紫陽花
花入 手付瓢籠
香合 桐団扇葦水蒔絵
釜 雲龍
風炉 唐銅雲龍
棚 尚古棚
水指 水草絵
薄器 夕顔蒔絵大棗
茶杓 小森松菴作 銘蛙声(あせい)
茶碗 朝日 松絵讃
替 赤
蓋置 交趾蟹
建水 高取
御茶 翠芳の白 井ケ田園詰
菓子 滴露 賣茶翁製
菓子器 銀黒彩泡文様四方皿
鍋田尚男造
私がいだいたお菓子の器はご覧のようなビビットブルー
主菓子の「滴露」をいただく時は、まるで水の底に沈んでいるお菓子を取り上げるような感じがしたほどです。
このような菓子器に出会ったのは初めてのこと。
「滴露」という銘のお菓子は形が雨の滴でした。
大きな滴、味は杏だったでしょうか。
お席のテーマはきっと「雨」だったのでしょう。
入梅のこの季節、両席で雲をそして雨を楽しむことができたのです。
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