風の森通信 第499号
「南部曲り家」Ⅱ
「南部曲り家」の油絵をご紹介いたします。
「南部曲り家と岩手山」 佐々木賢光
この油絵も友人宅で先日拝見したものです。
南部曲り家の背景には、雪をいただいた岩手山。
その雪の白さと山の高さに目を奪われてしまいます。
雪の白さ、雲の流れに青い空。
ようやく春が顔をのぞかせてくれた季節。
それはいつもと変わらない春先の雪解けの光景が広がります。
舗装されていない道は土がようやく見えてきてぐしゃぐしゃの道。長靴を履かなくてはとても歩けません。
東北地方の春の訪れは、他の地方と比べてゆるやかなものです。
冬が長い東北の人々にとって、それは耐えることの時間の長さに比例します。
春は私たちにとって一入(ひとしお)の感慨をもって迎えるもの。
待ち焦がれた春への期待が、この絵の中には表現されています。
雪の溶け出した音、日差しはあるものの空気はまだ冷たい。
絵の前に立っているだけで、その場にいるような気がします。
全体が明るく輝き、生きるものすべてが光の春を待っているようです。
サイズは25号。
友人が絵の裏側から名刺を見つけたと見せてくれました。
洋画家 佐々木賢光
昭和二十年生
武蔵野美大卒
〒020-04
岩手県紫波郡都南村
郵便番号がスタートしたのが昭和43年ですから、それ以降の作品ということになるでしょうか。
佐々木先生は現在63歳。
入院生活をされているとお聞きしました。
一日も早い回復をお祈り申し上げます。
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