風の森通信 第500号
故佐藤宗鶴社中席
■日時 : 平成20年7月6日(日)
■場所 : 仙台市輪王寺 半杓庵
■主催 : 故佐藤宗鶴社中
仙台は朝から暑い一日。
今日は故佐藤宗鶴社中のお席に入らさせていただくことができました。
待合のお床には織姫神が荘られ、その下には佐藤先生の生前のお写真と、名誉師範の称号を大宗匠からいただかれるとき、代表でお受けになった先生のお写真も並べられておりました。
写真の前には佐藤先生が上梓された歌集「道はるか」が二冊があり、直接手にして拝見することができました。
つい先日、この輪王寺で佐藤先生の七回忌が営まれたとのこと。
私がお茶のお稽古をはじめたのが五年前ですから、佐藤先生とは一度も会うことはできませんでした。
佐藤先生は支部の幹事長として長年勤められ、多くの先生方の育成と支部研修道場の建設、宮城の茶道の隆盛のため大きな力を発揮されました。他に油絵や日本画、短歌そしてスキーもおできになるという多才な先生であったとご紹介いただきました。
佐藤先生を慕って、早朝から多くの参会者でにぎわいました。
■濃茶席
床 鵬雲斎大宗匠筆 歩歩是道場
花 白鉄線
花入 円能斎在判 竹一重切 銘 友語り
香合 曲 万象造
釜 松花堂好四方 弥五郎造
風炉 眉 崇白造
水指 瓢(仙叟好) 十代長左衛門造
茶入 瀬戸 二代作助造
茶杓 鵬雲斎大宗匠作 銘 不老門
茶碗 黒 八代吉向造
蓋置 淡々斎在判 竹一双の内 利斎造
建水 累座モール 清右衛門造
御茶 青葉の昔 大正園詰
菓子 道はるか 森の香本舗製
菓子器 縁高
■薄茶席
床 淡々斎筆 清風入簾来
花
花入 円能斎作 銘 天狗丸
香合 梶の葉 華正造
釜 霰富士釜 八代寒雉造
風炉 組扇風炉(清香院好) 宗完造
棚 行雲棚 木遊軒造
水指 白楽四方 旦入造
薄器 亀蔵棗 葵春造
茶杓 淡々斎作 銘 緑陰
茶碗 手づくね 宗鶴造
蓋置 橋
建水 色紙ちらし
御茶 千賀の浦 松籟園詰
菓子 花散る里 末富製
菓子器 桑八卦盆透し 光春造
佐藤先生のお道具のほとんどが博物館に寄贈されていたこともあって、道具組には苦労されたのではないでしょうか。
でも佐藤先生思い出のお道具の数々。
茶碗も先生手づくりの末家焼。
淡交会だけではなく陶芸家達との繋がりも深く、人間的な広さや深さを感じることができました。
濃茶席の花入の銘が「友語り」
先生のお元気だった頃の活躍をいろいろとお聞きすることができたのです。
以前齋藤先生より佐藤先生の歌集「道はるかつづく」をお借りした時、印象に残っていた歌を三首ほど書き留めておりました。
この場をお借りしてご紹介させていただき、佐藤先生のご遺徳を偲び哀悼の意を表します。
故郷も同胞も皆遠のきてひたすら励む今日の一日を
待ち待ちし君の便りの着きし朝胸騒ぎして開くもどかさ
朝露を踏みて入りたる人気なき茶室に沙羅の花静もれり
この茶会で、「宗鶴会」会員のT先生と初めてお会いすることができました。
T先生は一瓢庵庵主であり、私が勤める会社の数少ない男性の先生であることが分かりました。
これからのお付き合いが楽しみでございます。
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