風の森通信 第513号
夏の名残り
過ぎし日の一場面を見るような雨に濡れいる露地の飛石
H 20.8.30 冨樫 通明
お茶室から見上げる空にはあの入道雲は既に無く、秋の長雨にでも入ったかのようなお天気です。露地の飛石も雨に濡れ、辺りには秋海棠や赤の水引の花が咲いています。
ずっと昔、こんな景色をどこかで見た記憶があります。
お稽古ではいつも見慣れている飛石なのに、雨に濡れて一つ一つが輝いているのには驚かされます。
躙口から吹いてくる風は、どこか梅雨の季節の肌触り。
仙台の短い夏は駆け抜けるようにして逝き、もうすぐ九月を迎えます。
いただいた主菓子の銘は「夏の名残り」
柿の実の上の部分が既に赤くなりはじめていました。
今日のお稽古は茶箱のお点前の中でも一番好きな「月点前」
器据(きずえ)に並べられたお道具を見ているだけでも楽しくなってくるのです。
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