風の森通信 第519号
瑞鳳寺での出会い
風ほどに揺れることなくホトトギス
H20.9.23 冨樫 通明
今朝の仙台は最低気温が15度となり、吹く風も涼しく瑞鳳寺山内はすっかり秋の風情です。
今日は秋分の日ということもあって、お墓参りの方やご法事の方々そして月釜参会者でにぎわいました。月釜の受付の前庭では、このように白いホトトギスが私たちを迎えてくれました。
・平成20年9月23日(祝)
・瑞鳳寺山内
濃茶席 (台目席)
床 鵬雲斎大宗匠筆 東籬秋色佳
菊と酒を愛した東籬の下、悠然として南山を見る。
厭世の生活をしていた陶淵明、目の前にくり広げられている寂しげな秋の風情をであろうか。
花 松本仙翁、金華山すすき
花入 古銅
香合 堆朱 唐物
茶入 瀬戸 銘 千歳
茶杓 鵬雲斎大宗匠作 銘 遠山
茶碗 萩
拝見したのは白の松本仙翁、楚々とした花でございます。
お菓子は蓮の花びらで銘は白露。
お茶は青葉の昔、たっぷりと香りあるお濃茶をいただくことができました。
薄茶席 (海眼閣)
床 家隆卿筆 色紙
明けてまた越ゆべき山の峯なれや空ゆく月の白雲のすゑ
花 山芍薬
花入 粉引
香合 鈴虫蒔絵
薄器 秋草蒔絵栃木溜大棗
茶杓 池田瓢阿作 銘 山の辺
茶碗 大樋飴
藤原家隆といえば鎌倉時代の歌人で「新古今和歌集」の選者のお一人。800年以上も経過したものですが、一字一字読み取ることができます。
一期一会の出会いとはこのようなことなのでしょうか。
有り難いことです。
いただいたお茶は翠芳の白、干菓子は初雁。
ゆったりと時間が過ぎてゆきました。
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