風の森通信 第611号
仙台白百合学園茶道部茶会
■日時 : 平成21年8月30日(日)13時00分~
■場所 : 仙台市泉区紫山 仙台白百合学園
■主催 : 仙台白百合学園高等学校茶道部
仙台は梅雨明けの声を聞くこともなく、窓に吹く風はもう秋の匂いです。
でもこの夏の思いは人それぞれ。
空の青さも思い出の中の一つでしょうか。
今日伺った仙台白百合学園高等学校茶道部のお席で、そんな空の青さのお茶碗に出会うことができました。
このお席は、同校の「第54回学園祭」の中で開催されたものです。仙台白百合学園は家から歩いて十分ほどの所にあり、私にとっては一番近いお茶室ということになり誠にありがたいことです。
床 五雲老師筆 喫茶去
花 槿、秋明菊、矢筈薄、吾亦紅、竜胆
花入 鵜籠
季節の移ろいを感じさせてくれる花々でした。
釜 肩衝釜
棚 御園
水指 染付 末広
棗 菊蒔絵中棗
茶杓 長谷川寛州和尚作 銘 雲悠々
茶碗 蟹絵
蓋置 彩硝 尚男造
建水 赤絵
茶 芭蕉の白 芭蕉園詰
菓子 千代見草 白松が最中製
青い空、青い海、湧き上がる入道雲、そして白い砂浜で赤い蟹が目の前を通り過ぎていきます。
蓋置の彩硝は、きらきら輝く海辺を思い出させてくれるものでそれはそれは素敵なものでした。
染付の青の濃さが海の深さを想像させてくれます。
三年生の生徒さんでしょうか、和やかな雰囲気の中でも姿勢を正し丁寧にお点前がすすみます。
ひと際目を引いたのが御園棚。
棚は自作とのこと、前面に三年生の生徒さんが描いたという青海波。他のお席では見ることのできないとても印象的なものでした。
テーマは「夏の思い出」だったのでしょうか。つかの間の夏の思い出を、きっと暑かった浜辺に残してきたのではと思ってしまいます。
一席で約三十人ほどのお客様、もう一つのお茶室では十五名のお客様でにぎわいました。
お運びは浴衣を着た部員総勢五十名の皆様方。
何より嬉しかったのは、地域に住む私たちもこうして生徒さんたちと一緒に気軽に席入することができたことです。
心のこもったとてもおいしいお茶をたくさんいただこくとができました。こうして夏の思い出とともに季節の移りゆくひとときを、仙台白百合学園高等学校のお茶室で楽しく過ごすことができたことです。
部員の皆様方をはじめご指導されている先生方、一年間のご準備本当にお疲れ様でした。来年も必ず伺いたいと思っております、どんなテーマやおもてなしが待っているのか今から楽しみでございます。
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テーマ : 和風、和物、日本の伝統
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