風の森通信 第624号
六華
岩井純フィレンツェ展記念展
■日時 平成21年10月23日(金)~29日(木)
■場所 仙台市一番町 藤崎本館6階美術工芸サロン
℡ 022-261-5111
同展の開催に先立ち、岩井氏より一枚の葉書をいただきました。
「今回の展示には新しい釉薬を発表しようと思っております」
天目として独自の輝きを持つ六華の結晶。
その結晶を文様として意匠化し、作品の一つひとつに景色として映し出されています。器の持つ素地と、表面を被う釉薬が作り出す色彩と結晶の妙が、景色となって私たちを楽しまさせてくれます。
結晶天目釉茶碗
今回の作品は今までにない色彩と結晶の姿です。
結晶の織り成す景色は繊細でありながら華麗なものでした。
作品に近づくにつれ、雪景色を見ているような幻想的な世界にいざなわれていきます。
六華窯の特徴のご説明をいただきました。
窯の中の炎の温度が1,250度の最高気温から150度下がった時、再度火入れを繰り返しながら一定の時間その温度を保ち、あとはゆっくりと冷ましていく段階で、金属が結晶として成長していくのだとお話をお聞きしました。
結晶ができるまでの科学的なデータと、結晶がどのように成長するのか定まらないという不思議さ。作品を拝見しながらゆっくりと結晶が成長していく様子を想像してしまいます。
結晶天目釉瓢箪
陶器でありながらまるで金属的な作品であると同時に、その色が木の肌をも感じさせてくれる不思議な輝きです。
入れられた花はどのように呼吸してくれるでしょうか。
結晶天目釉水指
斬新な模様の中に六華の結晶が散りばめられています。
蓋を開けると中にも大きな結晶が現れ、入っているのは冷たくそして清らかな水に違いないと思うのです。
技術的な確立とともに幾多の結晶を配し、その成長を信じ器の中に自らの意思を表現されているのではないでしょうか。
六華の結晶は、窯の炎が織り成す美しく素敵な贈り物。
来年の個展では、どんな結晶に変化してくれているのか楽しみでございます。
写真の掲載にあたり岩井先生からご了解をいただきました、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
そういえば個展会場全体の光景と、岩井先生のお写真を撮るのを忘れておりました。
読者の皆様申し訳ございません。
六華窯(りっかがま)
仙台市青葉区芋沢字田尻68-2
(JR仙山線 愛子駅より車で15分)
℡ 022-394-2126
和の学校仙台分校へどうぞ
テーマ : 和風、和物、日本の伝統
ジャンル : 趣味・実用