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風の森通信 第629号


「紅」
 

 秋も深まってくると、街のいたるところに赤い色が目についてきます。
特に樹木などの紅葉は身近なところでも。

「紅葉」
秋になると紅葉という言葉を子供の頃から何気なく使ってきました。でも「紅」を一つの文字としてみた場合、なぜ紅という字が「いとへん」なのか、これまで考えることなどまったくありませんでした。でもようやくこの年になって、少しではありますが調べてみましたのでご紹介申し上げます。

「紅」
字形としては意味を表わす「糸(べき)」と音を表わす「工」からなる形声字。
「糸(べき)」は帛(はく)の意とあります。
「糸」字は中国では細い絹糸のこと、帛は平織りの絹で最初は桃色の絹の平織りであったようです。お茶のお稽古の時、女性の皆様が使っている帛紗は表裏二枚合わせの方形の赤い絹布。
読み方としては、コウ、べに、くれない。鮮やかな赤い色を指し、真紅や鮮紅色といわれるほど鮮やかな赤が基調となっています。
紅を使い気になった言葉をいくつか探してみました。

 ・紅雨(こうう)    花に注ぐ雨のこと、赤い花の散るたとえ
 ・紅顔(こうがん)  元気な少年の顔、美人の顔
 ・紅玉(こうぎょく) 美人の顔や肌の美しいたとえ
 ・紅雲(こううん)  くれないの雲、花の咲きみだれるさま
 ・紅脂(こうし)   女性の化粧、美人
 ・紅紫(こうし)   くれないとむらさき、転じていろいろな花の色
 ・紅雪(こうせつ)  ももの花の形容に用いられる
 ・紅潮(こうちょう)  はじらいや酒のために顔が赤くなること
 ・紅唇(こうしん)   美人の唇
 ・紅頬(こうきょう) 赤いほお
 ・紅女(こうじょ)   機織り女
 ・紅泉(こうせん)  赤い花が映ってくれない色に見える泉
 ・紅黛(こうたい)  べにとまゆずみ、転じてお化粧のこと
 ・紅粧(こうしょう) 美人のよそおい、化粧した美人
 ・紅鉛(こうえん)  おしろい紅粉
 ・紅筆(べにふで) 口紅をつけるときに使う筆
 ・紅日(こうじつ)   まっかな太陽
 ・紅旭(こうきょく)  まっかな朝日
 ・紅箋(こうせん)  詩などを書くべに色の紙
 ・紅梨(こうり)    りんごのこと
 ・紅友(こうゆう)  お酒の別名
 ・紅灯(こうとう)  赤ちょうちんのこと

もう一つありました。
 ・紅一点(こういってん) 
            青い草むらの中に咲いている一輪の赤い花

こうして見てみますと、圧倒的に女性のそれも美人に関する言葉やお化粧のこと、他には花や輝く太陽などとして出てきます。
また紅色は魔除けや病を封じてくれる色とも言われ昔から使われてきました。
あなたにとって「紅」はどんな色でしょうか、そしてどんな思い出がありますか。

 つい先程山形の兄から写真が届きました。
山形市内にあるもみじ公園の紅葉の風景で、ちょうど今が紅葉の見頃とのこと。

この公園内にある公共茶室の名は「宝紅庵(ほうこうあん)」
日釜や月釜そして市民茶会などで多くの市民の皆様が訪れるところです。
そして山形は紅花栽培が今でも盛んなところです。
紅色の重なる数だけそれぞれ表情があるもの、人も同じまた人生も同じとみてよいものなのでしょうか。

■和の学校  「色の万華鏡」 (紅花染) をご覧ください。


和の学校仙台分校へどうぞ

テーマ : 和風、和物、日本の伝統
ジャンル : 趣味・実用

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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大そして、昔からあった美しい東北の四季とそれを彩る催しを発信していきます。ドイツで生まれたVEEH HARFE(ヴィーハープ)演奏にも取り組み、癒しの音色をお届けしていきます。

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