風の森通信 第632号
今年最後の輪王寺月釜
昨夜の仙台は大雨でしたが、朝から晴れ渡り静かなそして穏やかな一日となりました。明日が大雪そして冬至に向かって日差しは日ごとに影を伸ばしていく季節です。
輪王寺では雪吊りも終り冬本番を待つばかり。
・日 時 平成21年12月6日(日) 12時~
・場 所 仙台市青葉区北山 輪王寺 半杓庵
・主 催 淡交会宮城支部
■待合
床 菊田伊洲筆 雪景山水図
■濃茶席
席主 篠原 宗由 氏
床 天倫宗忽筆 他是阿誰
花 諸人、臘梅
花入 古銅柑口
香合 古染付人物文
他(かれ)は是れ阿誰(あた)
釈迦や弥勒が頭を垂れる他(かれ)とは誰なのか。
釈迦や弥勒でさえ終点のない世界にいるということなのでしょうか。一人一人の心や精神というものがその他(かれ)にあたるのだろうか・・・
花入に入れられた椿は「諸人(もろびと)」
小輪で白一重、抱え気味の筒咲き筒芯端正なお花とお聞きしました。
■薄茶席
席主 佐藤 宗智 氏
床 泉田玉堂老師筆 行雲流水
花 土佐水木、磯菊
花入 幾何文様
香合 拍子木
風炉先 亀甲松
釜 片身替面取
炉縁 溜塗面松葉蒔絵
棚 四方瓢
水差 祥瑞蜜柑写
薄器 松山蒔絵大棗
茶杓 碩應老師作 銘 煤拂い
茶碗 赤
替 虫明
蓋置 夜学
建水 紫交趾唐草彫
御茶 青松の白 大正園詰
菓子 風花 賣茶翁製
菓子器 流水蒔絵一閑四方盆
釜から吹き上げる湯気に暖かさを見つけることができます。
その下で真っ赤になっている炭火の存在も。
年の瀬を感じ取ることのできるお席でございました。
私がいただいたお茶碗は十牛図の中の「見跡」、偶然とはいえ今の私にはぴったりのお茶碗でございました。お茶でいえば割り稽古が終わって次の段階にいくあたりでしょうか、ようやく茶道の入口に立っているようなものです。お隣の皆様方のお茶碗も拝見させていただきました。「牧牛」「見牛」「騎牛帰家」・・・話が弾みます。
先生から「早目ですが来年もよいお年でありますように」とご挨拶をいただきました。
残り最後の月日と向き合うことになります。
そうだ煤拂い、年賀状、身辺整理そして今年一年を振り返らなければ。
今年のカレンダーももう後がない。
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