風の森通信 第657号
慈雨
天気がいいとか悪いとか誰が決めるのだろう。
晴れていれば天気が良いというのでしょうか。
雨が降ったら天気が悪いというのでしょうか。
雨はある人にとっては良いと思うこともあるだろうし、ある人にとっては悪いということだってあるわけです。
「慈雨」という言葉もあるように、雨が降ることを良い天気ということもあってもいいはずです。
日々是好日
しっとりとした雨の一日もいいものです。
毎年六月五日は仙台市青葉区瑞鳳寺において、栄西忌の法要と茶会が行なわれます。
新緑は6月に入ると一雨毎にその色を増し深緑となりました。
ここ霊屋下(おたまやした)では緑色した雨が降りそそぎます。
境内には「高尾門」があり、その案内板に一つの句があります。
君はいま 駒形あたり ほととぎす 高尾
なぜ遊女高尾の句がここにあるのかよく理解でません。
高尾と伊達藩がどのようなつながりがあったのか、いつか鎌田住職にお聞きしたいと思っている。
濃茶席では雨の音に耳を傾けながら時が過ぎていきます。
薄暗い床の花入に入れられていたのは大山蓮華。
白く膨らんだ蕾がとても印象的でした。
お茶杓の銘は「流芳」
この季節にはやはりこの短歌が似合います。
あなたからきたるはがきのかきだしの
「雨ですね」さう けふもさみだれ 松平修文
総てが濡れ色の季節。
久しぶりに友人と出会い、傘をさして歩きながら心安らぐ一日となりました。
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