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風の森通信 第672号


有備館まつり茶会


日時:8月7日(土) 午前10時00分~午後3時00分
場所:宮城県大崎市岩出山 有備館庭園内 松花庵
主催:茶道裏千家淡交会宮城支部 原 宗竹 氏

 有備館庭園に一歩足を入れると、そこは蝉の鳴き声だけの世界と言っても過言ではありません。茶室のある茶島の橋を渡っていくと、池の中を泳ぐ大きな鯉が池に映った人影にゆったりとついてきます。

 橋を渡り終えるとすぐに松花庵が左手に見えてきます。
四畳半のお席の東側と南側の障子が外され、部屋は明るく風も吹き抜けてゆき、自然の中にあるお茶室といったほうがいいのかもしれません。

 床     鎌田景州老師筆    満月上青山

  花     矢羽薄、桔梗、連翹、芙蓉、金水引
  花入   手付け籠
  香合   芭蕉扇      神代杉

  釜     富士釜
  水指   ギヤマン平水指

  棗     寿輪
  茶杓   積應作      銘 涼一味
  茶碗   ギヤマン
  蓋置   青竹
  建水    萩
  御茶   千木の白    小山縁詰
  菓子   芭蕉の宿    石崎家製

 庭園内では数百匹の蝉いや千匹以上のアブラ蝉が、一斉に鳴いているのではないかと思ってしまいます。
原先生のお話も蝉の鳴き声にかき消されそうです。
岩出山は芭蕉一宿の地。
お菓子の銘でそのことを知ることができました。
芭蕉はここ岩出山を発ち、鳴子の「尿前(しとまえ)の関」を目指すことになります。
汗をかきながらいただくお茶の味もまた格別、例年になく暑い今年の夏のいい思い出です。
庭園内の蝉の鳴き声がまだ耳に残っています。
そして衣擦れの音が水屋に吸い込まれて行く音も。
 夜になると灯篭流しが庭園内の池で行なわれます。
月は池の対岸にある城山の上で輝いてくれるに違いありません。

 岩出山からの帰り道、古川の菓子処「一心堂」に立ち寄り「あんだま」を買ってきました。「あんだま」とはあんと黒糖を練り込み、きめ細かい口あたりと表面をかんてんで包んだもので、ほどよい甘さのシンプルで上品な和菓子です。薄茶の席で皆でいただきましたが黒糖の味がたまりません。
齋藤先生のお茶室にもやはり蝉の鳴き声が聞こえてきます。この季節どこに行っても蝉の鳴き声から逃れることはできません。
そしてこの暑さもまた同じこと。
今日はもう立秋でございます。

 午後からのお稽古は、久しぶりに大円之 真そして釣瓶(つるべ)を使った薄茶点前でした。



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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大そして、昔からあった美しい東北の四季とそれを彩る催しを発信していきます。ドイツで生まれたVEEH HARFE(ヴィーハープ)演奏にも取り組み、癒しの音色をお届けしていきます。

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