風の森通信 第697号
宝樹山仏向寺
今日は長兄七回忌の法要で、山形県天童市の中心部舞鶴山の西麓にある仏向寺に行ってきました。
宝樹山仏向寺開祖は一向上人俊聖。
弘安元年(1278年)成生荘(なりゅうのしょう)に開基、末寺五十三ヶ寺の時宗中本山で、後に現在の地に移設となりその後二度の焼失にあい、現今の本堂は文政八年(1825年)の再建によるもの。現在の天童市内にあるお寺のなかでは最も大きな寺院となっています。
境内の至るところに杉苔が生え、緑豊かであるのもこの寺の特徴の一つでしょうか。
ご住職に案内され、本堂南側と東側にある庭園も拝見させていただくことができました。
境内には他に、仏教的宇宙観を語る「満月之碑」、雨乞いの神「龍神堂」、鎌倉時代の「大日板碑」と「石仏」などがあります。
中でも板碑と石仏は本堂に向って左側に位置しすぐに分かりました。風化がだいぶ進んでいるのでその造立年代や趣銘等は不明のようですが、近くにある山寺産の凝灰岩で鎌倉時代のものと伝えられています。山寺立石寺などの山岳宗教から麓の人々への広がりが、鎌倉時代の頃であったことがこの石仏からもうなずけます。舟形光背に陽刻した類例のない石仏で、聖観音像に声聞型の小石仏が前に並んでいます。
石仏が二体の場合は横に並んでいるのが一般的ですが、向仏寺のこの石仏だけは二体が前後にあり他に例を見ない珍しい石仏といえるようです。
一向上人の命日である十一月十七日、全国でも珍しい踊り念仏の一種「踊躍念仏(ゆやくねんぶつ)」が執り行われると伺いました。
兄の命日は明日十一月一日、手をあわせながら生前の兄を偲ぶことができたのです。
また同日、仏向寺から北に約2kmのところにある茶室「天心庵」で、「天心庵」30周年記念茶会が行なわれました。
今回法要参列のため伺うことができず誠に残念です。
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