風の森通信 第687号
茶事を終えて
茶事終えて菓子器丹念に包みゐる昨日のお席振り返りつつ
買ったのは千鳥の酒と同じ酒もっと話すことあったはずだと
美しく盛りし抹茶を崩しゆく薄茶の席の吾の楽しみ
沈香と金木犀の香るとき初めての茶事想いおこせよ
恋よりもやっかいものの茶道かも八年経てもまだ好いている
H 22.10.04 冨樫 通明
昨日は私にとって茶名披露、華甲の祝いそして初茶事と、一度に三つの理由をつけてのお席になりました。
少し欲張りすぎたかもしれません。
去年から温めてきた一生に一度、寅年に行なう区切りのお茶事として取り組んできたものです。
仙台市太白区にある懐石料理店 「東洋館」 さんの六畳のお茶室をお借りして行ないました。
お客様は齋藤宗紀先生、高橋さん、武田さんそして山形からは金澤さん。半東には同じ和の学校仙台分校の中森先生にお願いをしました。
亭主を務めさせていただいた四時間はあっという間に過ぎ、いつのまにか終わっていたというのが率直な感想です。
初めての茶事とはこのようなものなのでしょうか。
お道具はこれまで皆様から頂いたお道具や、母から引継いだお道具、和の学校を通して新しく取り揃えたお道具などを使ってみました。お菓子も京都の和の学校から届けていただいたものや、六華窯を通して知り合った東北福祉大学の権先生からいただいた菊茶を、汲出しに使わせていただき季節のおもてなしをすることができました。
これまでいろいろな方々に力をいただいたからこそできた私だけのお茶事です。
この場をお借りし改めて皆様方に御礼申し上げます。
友人から言われました「あんたは昔、大きなお寺で茶坊主としてお茶やっていたのと違う?」
あたっているような気がいたします。
もう一人お茶の先生から言われました。
「裃付けてちょんまげつけてお点前していたのと違うんか?」
ん~裃は何かの見間違いで、ちょんまげはないと思うけど。
昨日のお茶事は一生の思い出になりました。
金木犀の香りや沈香の香りに包まれたとき、私の初めてのお茶事を思い出すことになりそうです。
■ お茶事のご報告
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