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風の森通信 第734号


忘れることのできない思い出


 今日で東日本大震災から既に三週間が過ぎました。
会社では三月十一日亡くなられた方々の訃報が何十通にもなっていました。同じ担当内でも自宅が流されたり、原発の事故で避難生活を余儀なくされている方もいます。そしてまだ行方が分からず今も家族の方々を探している友人や後輩たちが何名もいました。昨日、宮城県山元町に住む親しい先輩に電話したところ、海から三キロ程離れている自宅の庭の先が、今では海になってしまったということでした。
岩手県宮古市は若い頃に通った職場があります。福島県いわき市は十年前まで転勤で働いていたところです。宮城県気仙沼市や石巻市は最近まで仕事の関係でよく訪れていた街。そして荒浜や奥松島、新地、亘理の海岸はこれも若い時によく仲間たちと一緒に夏にはテントを張って泳いでいたものです。野蒜や相馬はよく潮干狩りに行ったところです。
テレビや新聞などでこれらの被災地の映像や写真を見る度に、東日本大震災以前の日常にはもう戻ることはできないのだと知らされます。でも今はガレキの山になって廃墟の街になったとしても、楽しかった思い出やきれいな光景を私の記憶から消し去ることはできません。
それにしても失ったものがあまりに多く、これから先は何から手をつけていけばよいのか分からなくなってしまいます。
明日のことそして一週間後のことは今は見えなくても、一年後そして十年後の長い先を考え、今を生きていくしかないようです。
生かされている命と残された命が、共に支えあって生きていかなくてはならないのだと固く信じています。
そして今回の大震災で得た教訓をもとに、きちんとしたもの作りそして守りながら次の世代に引き継いでいきたいものです。
これからの生き方は震災復興に向け、少しでもお役にたつことができるようにしていきたいと思っています。

 今日からお茶のお稽古が再開しました。
透木釜での初炭手前、大円之草そして薄茶平点前。
震災以降一度もお茶を点てることもなかった私にとって、お互いの無事を確認しあい三週間ぶりにいただくお茶は誠においしいものでした。

 お稽古が終ってから、昨年厄払いをしていただいた櫻岡大神宮に、震災からの復興を祈願するため伺ってきました。
境内の石灯籠もほとんどが倒れていたり、神殿の屋根は修理中で大きな被害を受けていたようです。
御神籤をひいたところ「大吉」
教え「生きがいは現在を精一杯に働くことから生まれる」
天のみこえ「宝といふべき玉はなくならむこまかに瑕(きず)をもとめいでなば」
大らかな気持ち今を精一杯生きていくことにいたします。
帰り道、神社の脇にある臥竜梅(がりょうばい)の脇を通ったところちょうど満開になっていました。

この梅の木は、仙台藩祖伊達政宗が文禄の役の際に朝鮮から持ち帰って仙台城に植え、明治維新後この地に移植されたものと伝えられているものです。
 花は白色一重で、幹が地にはうように曲がっている姿が竜が臥している姿を思わせることから、この名で呼ばれいます。
こんな大震災にも関わらず、季節が巡るとこうしてきれいに咲いて私たちを楽しませてくれます。

風の森通信第459号「大谷(おおや)海岸」
 透き通った青い海と白い砂浜の織り成す美しさにより環境省「快水浴場百選」にも選定されている海岸です。
海水浴場には日本一海水浴場に近い駅として知られる「JR気仙沼線大谷海岸駅」も隣接しており、駅から直接砂浜に出ることができましたが今回の大津波で跡形もなく流されてしまいました。
大好きな海岸だったのでまた行ってみたいものです。


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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大と、ヘルマンハープ演奏にも取り組んでいます。
昔からあった美しい東北の四季、それを彩る催しそして癒しの音色などもお届けしていきます。

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