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風の森通信 第888号


 第一回 最上三十三観音巡礼結願


 先日第一回目の最上三十三観音巡りの残り二十八札所を一気に巡ってまいりました。
今回は輪袈裟を身につけての巡礼です。
輪袈裟は友人が準備してくれたもので、紫地に宝船を縫い付けられていて私のお気に入り。

 巡礼は一とき一ときを大切にするといわれています。
まずは健康で巡礼できることの幸せを感謝しなければなりません。
道中のいろいろな出来事はすべて観音様のはからいであると感じ、ひたすら感謝の合掌で受けとらなくてはなりません。
それによってこの巡礼はありがたく和やかな旅となります。
同行の人にはもちろん、道中で行き会う人々にもご挨拶をし、親切にし、自分よりも先に同行の人や道中の人に喜びを与えるというものです。まったくの他人であっても、巡り合って出会ったご縁の深い方々なのかもしれません。
自分さえよければいいというのは未熟な人の考え、道中出会う全ての人の願いが叶えられればと強く感じます。

 訪れた中で最も印象に残ったのが、第三十一番札所の富沢です。

            三十一番札所   富沢 
 
 この札所は山形県最上町富沢の天台宗浪高山東善院光清寺にあります。霊場全体が実によく整理されていて、ゴミもなくきれいに掃き清められています。風も流れていて空気までもが澄んでいました。
水屋では湧水の冷たさと透明さが心身を清めてくれます。
御本尊は馬頭観世音菩薩で慈覚大師の御作によるもの。
ご詠歌は

    さとびとの ゆたかにすめる とみざわの
               のきばのはなも くちぬなりけり

 観音堂に入ると天井には数多くの馬が描かれていて、それに呼び寄せられたように四面にはびっしり大小の絵馬が奉納されています。
お参りをする時手の平がチクチクと心地良い痛みのようなものが走って、観音様の力を体感することができたような気がいたします。このような感覚は初めてのこと。
ここでも金の納札を三枚ほどいただくことができました。
境内には樹齢五百年を越えるトチノキの大樹が御神木として聳えていて、あちこちにトチノ実が落ちている光景は絵になります。
また、山門の仁王尊にお参りすると足腰が丈夫になると言われているようです。

 他に番外となっている世照(よてらす)も心に残りました。
この札所は最上町曹洞宗臥龍山天徳寺にあります。
御本尊は子安観世音菩薩で観音堂を兼ねた位牌堂に安置されています。
観音様は三十三身に姿を変え、人々を救済するという慈愛に満ちたまなざしで赤子を見つめる子安観音坐像。そのお姿は温かくて私たち参拝者の心を安げてくれます。
ご詠歌は

    よをてらす ほとけのちかひ ありければ
               まだともしびも きえぬなりけり

友人が観音様に高額のお賽銭をあげて、いただいてきたのがこの色紙です。

   天徳寺小川信昭老師筆

裏には老師から巡礼した日付までご洗筆いただきました。
世界が美しくあるように、私の心も美しくありたいと願わずにはおられません。
 帰り際天徳寺の奥様から、お茶や地元特産のアスパラをご馳走になったり、巡礼の歴史やいろいろなお話もお聞きすることができました。地元で出会った方々の人情とおもてなしの心も、この巡礼の魅力の一つではないでしょうか。
これから何度もお伺いしたい札所となりました。

 各札所を巡礼したのが平日だったこともあり、道路も混んでなくて移動がスムーズにできました。そしてたくさんの金の納札も頂戴してきました。
長谷堂の急な坂道、そして打ち止めとなった庭月で得た達成感は今でも忘れられません。
次回の巡礼は今月後半に独りで巡る予定です。



 先週のお稽古は台天目と平点前でした。
今日は所要ができ、お稽古はお休みとなります。


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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大そして、昔からあった美しい東北の四季とそれを彩る催しを発信していきます。ドイツで生まれたVEEH HARFE(ヴィーハープ)演奏にも取り組み、癒しの音色をお届けしていきます。

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