風の森通信 第933号
東北大学学友会茶道部 平成26年度定例茶会
・日時 平成26年9月27日(土) 8時30分~14時30分
・場所 仙台市青葉区北山輪王寺
・主 東北大学学友会茶道部
仙台は朝から晴れ渡り、お茶室の前の芒も柔らかな日差しを受けながらゆっくり風に揺れ、本格的な秋の到来を感じさせてくれます。
受付には一般のお客様の他に多くの学生さんたちもお待ちでした。待合は香煎席にもなっていて、あたたかい昆布茶をいただくことができました。
受付の女性部員の頭上には、般若心経の「照見五蘊皆空度一切苦厄」の文字が額装されています。
一人の人間が持つ五蘊(ごうん-肉体である色、心的作用の受・想・行・識)は全て空であり錯覚なのだと、、、それを悟ってこそ一切の苦しみや厄いを乗り越えることができるのである。まさに釈迦の仏教と大乗仏教の違いが、般若心経の前段から唱えられるのです。
■待合
床 大道和尚筆画賛 和気兆豊年
■濃茶席
床 凌雲老師筆一行 白珪尚可磨
花 浜菊
花入 黄銅 曽呂利 五良三郎造
香合 縞黒壇花文象嵌 芳朗造
釜敷 紅白壇紙
長板 真塗
釜 常磐 美之助造
風炉 土眉 崇白造
水指 朝鮮唐津 鵬雲斎大宗匠箱 東也造
茶入 高取 瓢 楽山造
茶杓 卓巌和尚作 銘 清澄
茶盌 赤 裕起夫造
釜 萩
蓋置 青竹引切
建水 淡々斎好 唐銅口糸目 清右衛門造
御茶 仙寿の昔 芭蕉園詰
菓子 すすき野 白松製
菓子器 丹波手付 祥公造
濃茶席の席主とお点前は四年生が担当されています。
席主の男子部員の方から、今後社会に巣立ったり進学しても「白珪尚磨くべし」の言葉を胸に、自分の力を信じ更に磨きをかけていきたいとお話がありました。
お席には20名のお客様でゆったとした席入です。
席主の方の声も大きくはっきり聞くことができました。お道具も全員が手にとって楽しむことができありがたいお席でした。
今年の秋の豊作を感じさせてくれるお道具の数々、そしておいしいお茶とお菓子をいただくことができたのです。
■薄茶席
床 則洲和尚筆一行 東離佳秋色
花 槿、杜鵑、白袴、吾亦紅、芒
花入 手付籠 竹良斎造
香合 虫蒔絵 松斎造
釜敷 金銀砂子壇紙 吉左衛門製
釜 真形 春斎造
風炉 唐銅切合 彦兵衛造
棚 ひさご棚
水指 高取 八山造
薄器 蔦蒔絵中棗 司光造
茶杓 太玄和尚作 歌銘
茶の道はたどるに深きむさしの乃
月ぞすむなる奥ぞゆかしき
茶盌 賎機 秋果造
替 金砂子 菊絵 浩一造
蓋置 染付切子 徳泉造
建水 伊羅保 日呂志造
茶 翠芳の白 井ケ田園詰
菓子 清風 賣茶翁製
菓子器 唐松蒔絵四方盆 五稜造
東北大学学友会茶道部の定例茶会の特徴は、正客を大学の関係者の方や卒業された茶道部の先輩方が務められのが多いようです。
薄茶席は二年生と一年生の部員が担当です。
緊張感が有って、きちんとした席主と正客との応対もこのお席の魅力です。席主やお点前そしてお客様の上座には、男性の先輩方が座られるのが多いのも特徴でしょうか。
席主の部員から、茶杓の歌銘をすらすらと言っていただいた時、一般のお客様から「お~!」と感嘆の声と共に拍手が湧き起こったほどです。年配のお客様にとっては、ご自分のお孫さんのような部員の皆様の活躍が、眩しく見えたに違いありません。年代を超えたお席は実に楽しいものです。
来年のお席はどんな趣向が待っているのか今から楽しみでございます。
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