風の森通信 第945号
仙寿金華之石 打而作羊
新年明けましておめでとうございます。
仙台は雪が3cmほど昨夜から降り積もり、朝日に照らされ真っ白な光景です。
今年も願うことは天下泰平・国土安穏
自然災害がなく、東日本大震災の復興が一日も早く実現してほしいものです。
ありがたいことに今年も大崎市岩出山の中森先生から干支色紙をいただくことができました。
平成二十七年 乙未 (きのとひつじ)歳
臨濟宗徹大老師筆 仙寿金華之石 打而作羊
宗徹大老師からの添書きがありました。
「仙寿金華之石 打而作羊」
せんじゅきんかのいし だしてひつじとなす
黄初平(こうしょへい 328年?~386年?)、晋代中国の仙人。浙江丹渓人。
黄大仙(道教系寺院)に本尊として祀られる。
羊飼いをしていた十五歳の時、一人の道士に気に入られて金華山の石室に連れて行かれて修行する。
兄の初起が四十年後に探し当て、羊の存在を尋ねると、初平は云う。
「兄さんには見えない」と。そして鞭で周りの白石を打つと、それは悉く変化し忽ち一万頭の羊となったという。
仙なる道は物質・概念・時空を越える。
兄の初起もまた世を捨てて初平とともに仙道を究め、不老不死となった。
初平はその後「赤松子」と名を変え、初起も「魯班」と称した。
この世はすべて一面からの概念や定義よってみることを余儀なくされた世界。そんな特殊な枠を取り払えるなら、あらゆるものが新たな価値と意味づけをもたらすはずである。
静岡 臨濟寺専門道場 阿部宗徹
生きることただそれだけのこととして小さき羊石よりいずる
H27.1.1 冨樫通明
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