風の森通信 第2060号
柿の実
仙台では稲の収穫が終る頃から庄内柿の収穫がはじまります。庄内柿の正式品種名は“平核無柿(ひらたねなしがき)”
この柿の特徴としては平べったくて橙色した種無しの渋柿です。
まるで地面になだれ落ちるような柿の実は黄金色にも見えてまいります。
柿の味はやはり甘さが求められます。
渋抜きの方法は昔から焼酎を使う“焼酎ざわし”
柿のへたに焼酎を付けてビニール袋などに入れて密閉するだけです。小さなサイズのものであれば約10日間、大きなサイズは約2週間もすれば出来上がります。
渋抜き柿のビタミンCはミカンの約2倍もあるとか。
今年は家庭菜園の近くの農家の方から、庄内柿をたくさんいただくことができました。庄内柿の他にサイズが特別大きな“蜂屋柿”も頂いたので、皮を剥いて今年も2階のベランダに干してみました。
渋抜きにしたのは1箱だけで、残りのほとんどを干し柿にしてみました。
皮を剥いて干すにもポイントがあります。
皮を剥いてビニール紐に10個ほどくくりつけ、沸騰したお湯の中に紐ごと1分ほど入れて殺菌をした後に、雨のあたらない風通しのよいところに干しておきます。約2週間過ぎた頃から食べられるようになります。
食べ始めた頃水分が残っていることで、半生のジューシーな羊羹のような食感があります。乾燥されることでビタミンCはほとんど無くなってしまいますが、逆に増えるのはビタヒンAで他に食物繊維が豊富です。
余った柿を斎藤先生にもお持ちしたところ、熱湯を通した後また焼酎を付けて干すのだと教えてもらいました。
親しい友人はスライスした柿の実を、ドライフルーツメーカーを使って温度を60℃、時間を24時間に設定して乾燥させると、チップタイプの干し柿になることも教えていただくことができました。
乾燥させるにもいろいろな方法があるものです。
これからは庭にある柿の木の実がまだまだ有りますので楽しみです。
昔の茶人はお菓子の代わりに干し柿を出したと斎藤先生に教えていたたくことができました。砂糖が無かった時代、干し柿は季節のお菓子としてお客様をもてなしたことになります。
お薄を自服していただく時の干し柿は、太陽と大地からの自然の恵の甘さでございました。
土曜日のお稽古は初炭手前、行之行台子そして台子薄茶点前でした。
以前六華窯の岩井先生から結晶釉天目茶碗をいただいておりましたので、行之行台子で初使いさせていただきました。
茶筅を引き上げると抹茶の色がきれいに映えるお茶碗でした。
後日ご紹介をさせていただきます。
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