風の森通信 第2063号
平成二十九年 丁酉 ひのととり
仙台は晴れで暖かな新年を迎えました。
庭に出て太陽に向かい二拝二拍手そして一拝 祓い給え清め給え守り給え幸え給え
天下泰平国土安穏心願成就
今年も岩出山の中森先生から阿部老師の色紙が届きました。
雲中登仙
「鶏足山中久遠寿」 けいそくせんちゅう くおんのじゅ
釈尊の入滅時、摩訶釈葉尊者はすでに九十歳を超えていた。
皆が嘆き悲しむ中、ある老齢の比丘が「うるさい人がいなくなり、我々は自由になったんだ。喜ばしいことだ」と言い放った。釈尊の正法が正しく伝持されないと、このような者が増えて教団はバラバラになってしまう。だから経(教え)と律(規則)を釈尊の金言として伝持しなければならないと王舎城に五百人の阿羅漢を集め結集を行った。
結集が終わると摩訶釈葉尊者は、教団の後のことをすべて阿難尊者に託して、一人鶏足山(けいそくせん)中に消えて行った。
伝説によると、遥かな未来に出現するという弥勒如来に釈尊の付属を伝えるため、涅槃に入らず入定し、その身体は今でもマガダの鶏足山の山中に保たれてるという。
真実に生き、あらゆる人々に捧げんという願いは人知を超えてこの世を覆う。人間社会の幸福に資する願力こそ、混迷した世の中に光を、無責任きわまりない施策ぶりの輩に必ずやメスを入れるものであるということを畏れなくてはならない。無言無形を侮り貧り生きる時、永久の生命の意味すら其処には無い。
臨済寺専門道場 阿部 宗徹
老師の最後のお言葉は、現代に生きる我々に警鐘を与えています。
無責任きわまりない施策ぶりを、一人ひとりが今考えなくてはなりません。
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