風の森通信 第2064号
啐啄同時
一月七月(土)、斎藤社中の初釜です。
待合広間のお床
宗雲老師筆 啐啄同時
力強く元気のいい鶏が卵の殻を突いています。
親鶏が卵を抱いておよそ二十一日、いよいよ卵がかえる時、雛が中から殻をつついて音をたてるのを「啐(そつ)」と言い、その時すかさず親鶏が外から殻をつついて破るのを「啄(たく)」と言います。
この「啐」と「啄」が同時に起こり、初めて雛が誕生します。どちらかが早すぎても遅すぎても雛は誕生できません。
古くから禅の世界では、弟子の機が熟すのを見極めた時に、師である高僧がすかさず教示を与えて悟りに導くという両者の関係を「啐啄同時」という言葉で表してきました。
相手の思いを感じ、その瞬間に誠心誠意の対応をする「啐啄同時」の関係は、人と人とが関わるあらゆる場面において欠かせないものです。
茶席においても亭主と客とが心を通わせピタリと呼吸が合い素晴らしいお席になります。
まさに、「啐啄同時」ではないでしょうか。
後輩たちに齋藤先生から茶名申請のお話がありました。
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