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風の森通信 第2069号


春一番の月釜 薄茶席



■日時:平成二十九年二月五日(日)午後二時~
■場所:仙台市青葉区北山 輪王寺 半杓庵
■席主:小池 宗昌 氏


 床   淡々斎筆  春光生福澤

  花    有楽椿  鶯神楽
  花入  萩                十二代陶兵衛造
  香合  淡々斎好  己寶珠 淡々斎在判箱 即全造



  釜    霰平丸            正直造
  炉縁   唐松蒔絵           葵春造


  棚    鵬雲斎大宗匠好  竹寿     秋峰造
  水指   古銅写           香齋造
  薄茶器  白檀塗 座忘斎御家元在判箱 萬象造
  茶杓   瑞巌老師昨  銘 鶴
  茶盌   雪花繪  鵬雲斎大宗匠箱    九代長左衛門造
    替   赫地紅白梅画         祥平造
    蓋置 青交趾            善五郎造
    建水 高取             碧山造
  御茶   松の緑              芭蕉園詰
  菓子   下萌             賣茶翁製
  菓子器  内朱丸盆 鵬雲斎大宗匠箱   表恵造


 年初めての二月の輪王寺月釜。例年であれば水道が凍ったり雪が積もっていたりするのが常ですが、今日の仙台は雪もなく立春に相応しい穏やかな日和となりました。
正客は濃茶席、薄茶席も宗偏流の菅原宗玉先生。

 〝春光生福澤〟
春の伸びやかな光に命が芽生え、豊かな希望の福が皆様に訪れますようにと。
香合の己寶珠は淡々斎が還暦の折に好まれた寶珠で、松竹梅の絵があるおしゃれな香合です。己は淡々斎がお生まれになった干支。

 お花は有楽椿。
京都等持院にある有楽椿は別名〝太郎冠者〟とよばれる侘助椿で、高貴な花の色合いが小池先生のお好きなお花とご紹介がありました。枝物は鶯神楽で室内に入れようやく赤味がでたとのこと。小さな蕾の色にまで気を使っていただいた小池先生の心遣いに感謝です。

 お釜は霰がきれいな平丸で鐶付は鬼面。
炉縁は新春にあわせ唐松蒔絵で棚は竹寿棚、棚に映える水差は真葛宮川香齋ですっきりした姿です。模様は中国の武具に使われいたもののようです。
また菓子器の一つが、学校茶道の委員長を退任された記念に頂いたとご紹介と御礼がありました。

 使われたお水は、社中の方が富士山の伏流水をわざわざ汲んできた名水で点てていただいたものでした。お茶は芭蕉園詰の〝松の緑〟で香りもよくとてもおいしいものでした。薄茶器は白檀塗で、金箔の上に漆塗りを施し模様を浮かび上がらせるという見事なものでした。
お茶杓は後藤瑞巌老師作でご銘は〝鶴〟濃茶席でも鶴が眠っておりましたがこちらのお席では飛んでおられます。

 お点前をされたのはイギリスの女性の方。
お茶がお好きな雰囲気がとても良く伝わり、丁寧にお茶を点てていただきました。菅原先生から最後に〝外人さんに負けないようにお稽古に頑張りましょう〟とのお言葉!!
今日のお席のテーマは新春にあわせての〝松竹梅〟だったでしょうか。

 菅原先生に教わったことがあります。
〝円香(えんか)を聞かせてもらいます〟ということ。
お濃茶を飲み終わった後に古服紗の上にお茶盌をのせ、顔を近づけてお茶の香りを楽しむことだと教えて頂きました。
これまでは濃茶をいただくとき一緒に香りも楽しむものだとばかり思っていましたが、飲み終えた後に改めて香りを聞くことだったのです。

 大沼先生と小池先生のおもてなしの妙を存分に味わわせていただき、名残を惜しみながら輪王寺を後にしたのです。


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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大そして、昔からあった美しい東北の四季とそれを彩る催しを発信していきます。ドイツで生まれたVEEH HARFE(ヴィーハープ)演奏にも取り組み、癒しの音色をお届けしていきます。

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