風の森通信 第2362号
“薫風”
初夏の若葉の香りをのせて爽やかに風吹く五月。
家の門扉の片側を「テイカカズラ」が絡みついて辺り一面甘い香りが漂っています。
この花の名前の由来は、能の謡曲「定家」に由来するもの。
話の内容は共に新古今を時代を代表する歌人であった藤原定家と式子内親王の悲恋にまつわるもので、死後、葛に姿を変えて式子内親王の墓に絡まっている藤原定家の亡霊を、旅の僧侶が祈禱によって解放するが、結果的には再び絡みつくというものです。
花の色は最初は白そしておしまいの頃には淡い黄色の色に変化してきます。
まだしばらく楽しめそうです。