風の森通信 第279号


 微かに釜が揺れています。
天井から鎖で釜が釣り下げられているだけなのに。

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 地震があったわけでもなく、風が入ってきていることもないし、自分の体が揺れ動いているわけでもありません。
釣釜はお点前をしているあいだ、ずっとゆらゆら揺れ動いておりました。
炉の中の炭火がお茶室に風をおこしているのだろう。
釜がゆったりと揺れている感じはなかなか心地よいものです。
揺れているお道具を使うのは釣釜だけでしょうか。
他には道具ではありませんが湯気のゆらぎもありました。
他にももっとあるのだろうか。
所作の中で柄杓を置く時には、特に気をつけなければなりません。
何度か柄杓を釜の口の中に落としそうになってしまった。

 揺らぎという文字で一つの思い出がある。
いつであったろうか、輪王寺の月釜で「逍遥(しょうよう)」というお茶杓の銘を聞いたことがあった。
変わった銘だったので記憶している。
逍遥とは気ままにぶらぶら歩くこと。
小説家の坪内逍遥が思い出される。
普段の生活の中では、揺れを楽しむということをあまり聞いたことがない。
茶道が持っている楽しみのひとつのなのだろうか。
三月だけの釣釜の趣向と、そこで出会えた季節感の中でいただくお茶は誠においしいものでした。

今日のお稽古は釣釜での初炭点前、行之行台子そして薄茶点前。

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テーマ : 趣味と日記
ジャンル : 趣味・実用

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風のある場所

冨樫さんの行く所には風が吹くのかもしれませんね。
逍遙…ものすごく大事な事を伝えてくれてる言葉。あるがままに自然のままに歩き、生きることも大事な事だから。

あるがままの人生・・・

「逍遥」
わき目も振らずに目的に向かってまっすぐ歩くのも一つの生き方かもしれないけれど、道草とか寄り道、回り道もある生き方もいいな。
いろんなものを見たり聞いたり触れたりできるでしょうね。
そのほうがより人間的であるかもしれない。
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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大に取り組んでいます。
昔からあった美しい東北の四季、それを彩る催しなどもお届けしていきます。

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