風の森通信 第444号


紅葉の賀(もみじのが)


・平成19年11月3日(文化の日)
・東北大学植物園

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野点席


  床    泉田凌雲老師筆  短冊  挙頭見秋山
  花    嵯峨菊
  花入  備前      徳利

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  釜    車軸      淡々斎好
  水指  赤志野     織部蓋
  薄器  古瓢      菊桐蒔絵
  茶杓  小森松菴作 銘 杣人
  茶碗  赤       銘 雁来紅
   替   紅葉絵
   替   信楽      土の子窯
  蓋置  雲華
  建水  芒絵
  御茶  綾の森
  菓子  行く秋

 お点前をされている方の所作を見ていると、周囲の光景が意識の中から消え、聞えていた物音まで聞えなくなってくるものです。
私自身、心の中で同じお点前の所作をしていたからでしようか。
お点前の所作は、静寂を保つための一つの手段なのではと思ってしまいます。
静かにそしてさりげなく進んでいく振る舞い。
それでありながら「華」のあるお席だったのです。

 秋は当然のことながら夏と冬の間の季節。
日本は世界の中でも類をみないほど、木々の葉が紅葉する地帯に位置しその期間も実に長いようです。
日本に比べ秋が短いといわれるフランスでは、夏と冬の大きな季節の間にくっついたような短い期間。
シャンソンの「枯葉」や、ボードレールそしてヴェルレーヌの「秋の歌」からは、秋を楽しむというより寂しさや別れのイメージが付きまといます。
「枯葉」の一節です。

     ねぇ、僕は忘れていないよ
     枯葉がシャベルで集められている
     思い出がそれに後悔もね

 日本の秋といえば紅葉。
これからの季節、霜を経た葉は春のどんな花よりもくれないに輝きます。
目を射すほどのくれないの色。
何時の頃からでしょうか「紅葉前線」という言葉をよく耳にします。
紅葉については万葉の昔から歌にも詠まれ親しまれてきました。
源氏物語の中に「紅葉の賀」があったり、能や歌舞伎の舞台にも「紅葉狩り」があります。
近年、文部省唱歌の中に「紅葉の歌」もあり、日本人の生活の中に秋は深く係わってきました。

 東北大学植物園内では多くの木々が紅葉し、五感で季節の移ろいを感じることができました。
野点のお席では、お道具によって想念することで心の中でも季節の移ろいを感じ取ることができるものです。
こうして今年もまた紅葉を祝い、思う存分秋を楽しむことができたのです。

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   塵外の紅葉の園に一会の茶           席主О.S先生

   せきたてることなき一日(ひとひ)紅葉の賀  冨樫通明


 同時に開催された「紅葉の賀俳句会」では、О先生そして私も紅葉の賀奨励賞をいただいてまいりました。

 明日は齋藤宗紀社中の炉開きです。
久しぶりに紋付袴で伺います。


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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大に取り組んでいます。
昔からあった美しい東北の四季、それを彩る催しなどもお届けしていきます。

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