風の森通信 第464号
輪王寺半杓庵月釜
曹洞宗金剛宝山輪王寺は仙台市青葉区北山にある。
伊達氏の庇護のもと、奥州における曹洞宗の一大叢林として今日に至っております。
仙台は今日も雪がなく薄曇の天気。
淡交会宮城支部主催の月釜が開催され伺ってきました。
受付まで長い廊下が続きます。
■濃茶席
床 大徳寺 天佑紹杲筆 関路
花 白雪椿、蝋梅
花入 古銅象耳
香合 千鳥
釜 野馬
炉縁 黒
水指 伊賀
茶入 高取
茶杓 杉木普斎作
茶碗 赤 銘 寿色
替 萩
蓋置 青竹引切
建水 木地曲
御茶 松花の昔
菓子 寒松 賣茶翁製
■薄茶席
床 立花大亀老師筆短冊
梅が香にむかしをとへば春の月
こたへぬかげぞ袖にうつれる 藤原家隆
花 梅の古木枝、柊葉椿
花入 信楽壷
茶 翠芳の白 井ケ田園詰
菓子 福ハ内 賣茶翁製
炮烙の中にお菓子が出されました。
私が頂いた鬼は怖い顔の赤鬼とお豆でございます。
■招福席
お濃茶とお薄をいただいた後は招福席が用意されておりました。
碗の中には恵方巻。
今年の方向は南南東とか。
お茶漬けとして川柳(かわやなぎ)というお茶と出汁で割ったもので、ふーふーいいながらいただきました。玄米茶の香りとわさびが利いてなかなかおいしく、寒いこの季節には誠に有り難い。
お皿の上には沢庵漬けと鰯の佃煮そして柊の葉が一枚添えられています。
節分に相応しいお道具など数多く拝見することができました。
仙台では梅の香りがするのはまだ先のことですが、立春の言葉を聞いただけでも春が近づいてきているのだとほっといたします。
おいしかったお茶そしてお茶漬けもまた体温まるものでした。
輪王寺の月釜に伺う度に必ず拝見してくる額があります。
風 舞
お庭の見える薄茶席の東側に掛けられているもので、風がそっちこっちと舞っているような飄々とした字が私は好きです。
どなたの筆によるものかはまだ知らない。
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