風の森通信 第558号


雪国の茶会
                

  この時節は一年の中で一番寒いはずなのですが、その寒さもさほどでもなく生活するには過ごしやすい日々が続いてきました。冬らしくない冬なので未練がましく思っていて、どっと雪でも降ってくれたらと思っていたものです。
1月31日(土)の午後から、どっと雪が降ってくれました。
湿った雪でしたが仙台市内では約20センチほどの積雪となりました。

 翌2月1日(日)は輪王寺での月釜に伺ってまいりました。
輪王寺での月釜の時は、お庭を拝見してからお茶室に向かうのが私の習いです。

photo_21020102.jpg

その日は快晴で庭園内は一面の雪景色。
この日のために雪が降ってくれたのでしょうか。
この雪は月釜のための設えだったのでしょうか。

photo_21020103.jpg

受付に向かうまでの露地の石の一つ一つの雪がすっかり取り払われていて、社中の皆様方の朝早くからのご配慮は誠にありがたいことでした。

 ・待合 

  床   伊達吉村公筆   水仙之図

 ・濃茶席  

   席主  岡崎 宗留 氏  

  床   伊達政宗公筆 短冊 元旦和歌
       
     数ならぬ身も世につれて梓弓春たつけふにあひにける哉

  花    初嵐、土佐水木
  花入  竹一重切
  香合  赤珠の絵
  棚    猿曳棚
  水指  古七宝  
  茶入  瀬戸肩衝  銘故郷
  茶杓  織部作
  茶碗  朝鮮刷毛目
  御茶  青葉の昔        大正園詰
  菓子  初春           賣茶翁製

待合では水仙が優しく私たちを出迎えてくれました。
五代藩主でありながら絵も描かれていたようでございます。
本席床は、政宗公が慶長七年三十五歳の寅年の元旦に詠われたと先生よりご紹介をいただきました。
梓弓とは神事などで用いられるものですが、材質にかかわらず梓弓と呼ばれてきました。 弓は引くものそして張る(春)もので、春を待ちわびた気持ちがこの枕詞として使われてきたものです。
伊達家伝来のお道具を、数多く拝見させていただくことができました。特に吉村公愛用のお茶碗を実際に手にとって拝見することができたことは誠に有り難いことでした。
男性の方のお点前で、席中の空気がぴんと張り詰めているのが伝わってきます。このようなお席では、やはり男性の方のお点前が似合いうようでございます。

 ・薄茶席

   席主  岡崎 宗澄 氏

  床   鵬雲斎大宗匠筆  松菊萬年壽
       
  花    御前万作、蕗の薹 
  花入  瓢  銘立鶴  
  香合  手造り亀
  棚    佳辰棚
  茶杓  淡々斎作  銘末廣狩
  茶碗  富士かすみ絵
  御茶  五雲の白      上林春松詰
  菓子  干支         賣茶翁製

花入がなんとも目を引きます。

photo_21020104.jpg

形といい色といい長芋と一瞬思ってしまいましたが、正真正銘の瓢で円能斎在判。
蕗の薹が明るく輝きその位置を占めています。
いつも先生は優しくそしてゆっくりお話をしてくださいます。
先生にお会いする度思い出す言葉があります。
花伝書の中に出てくる「時分の花」そして「真の花」、先生の魅力をいつも感じるのでございます。
私の憧れの先生なのです。
このお席でも雪国ならではのおもてなし。
後の席の皆様方には隙間風が入るからと、雪見窓の付いた障子がもう一枚多く使われておりました。
これもまた先生の身も心も暖まるおもてなしに感謝申し上げます。
 
 今日は立春。
春という言葉を聞くだけで明るい気分になり嬉しくなってくるものです。陽の明るさは強くなったと感じられるのですが、温かさとなると仙台では弥生の声を聞く頃でしょうか。


和の学校仙台分校へどうぞ

テーマ : 和風、和物、日本の伝統
ジャンル : 趣味・実用

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雪の白い中にあって黒い飛び石が目を惹きます。

おもてなしの心とはこういう事をいうのですね。

気付きそうで気付かない、さりげなさに優しさが見え隠れしているような。

このようなところでいただくお点前は、優しい味がするのでしょうね。

この日記での初めてのコメント!

★さちりんさま
 この日記での初コメント誠にありがとうございます。
アクセス数を見ている限りでは多くの方々に見ていただいているのですが、なかなかコメントをいただくことができません。
よほどマニアックな内容なのでしょうか?
さちりんさんのように写真でコメントをいただくことも本当にありがたく思っております。
 雪の中に点々とある飛石。
そこを見ていただけるとはやはり写真大好きなさちりん様からのコメントだと思っております。
飛石のその先のことも想像してもらえるのは、撮影した私にとってやはり嬉しいことです。
感謝申し上げます。
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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大に取り組んでいます。
昔からあった美しい東北の四季、それを彩る催しなどもお届けしていきます。

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