風の森通信 第578号
椿の輝き
毎週土曜日の午後は、お茶のお稽古の日です。
仕事を持っている生徒さん方のためにと、齋藤先生は土曜日の午後もお稽古日として設定していただいております。
金曜日にもなると私のようなものは、仕事や雑用に追われてどうしてもポテンシャルが低下してくるものです。そんなこともあってかそれをリセットするための土曜日のお稽古がいつも楽しみです。
正座して姿勢を正し、静かなお茶室で耳を澄ましているだけで、気力や体力まで少しずつ回復してくるような気がします。
点てていただいたお濃茶に感謝し、正面を避け茶碗に唇が触れた瞬間がその時でしょうか。そんなわずかなひとときを自分が持っている五感で感じ取ることができたら、人間として今生きているのだと自覚できる瞬間でもあります。
あぁ、明日からまた生きていけるのだと。
仙台では桜と椿が同じ時期に毎年咲きます。
夕暮れ時、庭に咲いている椿の木に目をやると、一輪の花の中に輝くものを見つけました。
近寄って携帯で撮影したのですが悪いことにピンボケです。
でもその輝きを皆様にも見てもらいたいと思い、あえて写真を掲載させていただきます。
お茶室の床に椿の花を入れる時、蕾だけではなくこのような花もあってもよいのでないかと思ってしまいます。ピンク色した真珠のような輝き、暗いお茶室の中ではどのように光を集め、私たちの心を引き付けてくれるでしょうか。
この花は明日の朝総ての花びらを広げるでしょう。
これでも十分に開花後の椿の姿を想像することができるのです。
夕暮れ時だからこそ見つけられた一輪の椿の花。
それはそれはきれいで見事なものでございました。
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