風の森通信 第603号


花月
 

  今日のお稽古は花月。
土曜日のお稽古の先輩達が、家庭の事情や体調の不調でしばらく休まれているので、この半年は花月のお稽古をすることが叶いませんでした。
齋藤先生のご配慮で、他の曜日でお稽古のMさんとご一緒に久方ぶりの花月のお稽古です。
八畳間でのお稽古は初釜や大炉の時以来のもの。
今日は簾がかけられ夏の風情です。

部屋にある総てのスイッチを切り蛍光灯やクーラーも無く、雨音を聞き暑さを感じながらのお稽古になりました。
お茶室の暗さ、湿度、温度、足袋の衣擦れの音そして雨の音。今私を取り囲むこれらの環境が、きっと本当のお稽古の環境なのだろうと感じ取ることができたのです。

 茶道とはなかなか到達することの出来ない道ではあるけれど、そこに辿りつこうとするまでの道のりを楽しむことだと以前先生にお話をいただいたことがあります。
厳しい修道と同時に、お茶は時間をかけその時々の季節という空間を存分に楽しむという贅沢。
今の日本社会では多くの物が溢れる中、本当のそして新しい贅沢とはお茶の存在ではないだろうかと私は思っています。
わずかばかりのお道具で、お茶室という地面に近くそして限られた空間の中でゆっくりとした時間を過ごす。
そこには濃密な精神や考え方、所作や思いやる心がいっぱい詰っていて、これほど豊かな時間を過ごすことは正に贅沢の極みです。そんな時間や空間にいる私は本当に幸せなことだと思うのです。
時折雨音が強く聞こえてきます。
お稽古を一瞬忘れて露地を見ている自分に気付きます。
齋藤先生の門を叩いた頃は、雨の音を聞いている余裕などまったくありませんでした。
私の茶歴はまだ六年だけですが、年を重ねる毎にこうして新たな楽しみ方や発見ができるのだと思うようになってきました。
お茶の修業を積んだ年数というのは、楽しさを味わうためにはどうしても必要なことだと思っています。裏千家茶道、これからもずっと続けていきたいと改めて思ったのです。
 今日は新しい発見が一つ。
他の曜日でお稽古されているMさんの所作で釜のお湯を柄杓で汲みに行く時、柄杓に右手をあてて一瞬止めてから節の所までゆっくり手が入っていきました。
ほんの一瞬の間合いでしたが実にきれいな所作だったのです。
違いもまた新たな発見。
次は八月二十二日、花月のお稽古と齋藤先生からお話がありました。次回のお稽古が楽しみでございます。

                
和の学校仙台分校へどうぞ

テーマ : 和風、和物、日本の伝統
ジャンル : 趣味・実用

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お茶は季節ごとの時間と空間そして五感を使った贅沢なものなんですね。今の時代だからこそ必要なものなのかもしれません。本当にいい趣味をもたれました。また富樫さんにお茶をたててもらえるのが楽しみです。

元気でやっております。

★大さま
 仙台は暑くそして雨が降った一日でした。
短歌だけではなく、こうして私の拙いブログにコメントをいただきまして誠にありがとうございます。
コメントを拝見する度に互いに元気であることを確認できて嬉しい限りです。
秋の吟行会の計画を練っているところなのでもうしばらくお待ちください。
また茶箱を持ってまいります。
福島の夏の暑さはこれから、どうぞお体大切にされますよう。

袱紗捌きや、所作などむずかしいというお点前に対する見解です。
でも、ゆったりとした気持ちで、一つ一つの意味を考えながらお稽古をすれば、それもまた楽しさや張り合いに変わっていくのでしょうね。

私はもっぱら、冨樫さんの写真と日記で楽しませていただく事にいたします
   v-365

時をかけて

★さちりんさま
 こんばんは。
去年のお点前、今年のお点前。
昨日のお手前、今日のお点前。
先ほどのお点前、今のお点前。
一年という月日が経っていたり、24時間という時間や数分前という時間が経過していても、その時々の自分のお点前というのは違っていると思います。
何が違うのかはすぐに言えないかもしれません。
それは「時間を経過した楽しみ方」とでもいうのでしょうか。
何かを経験したり、何かを努力したり、何かを苦労したり、何かを失敗したり・・・その何かをして経過した時間とその判断や結論を知っているのは自分自身。
その何かをステップにして、新しい感じ方や考え方そして行動としてのお点前・・・が変わってくる。
そんなことができるのもお茶のもつ特性かもしれません。きっとそれが楽しさや張り合いに変わっていくのでしょうね。
写真や日記だけでなく、いつかおさちりんさんに茶をさしあげとうございます。
いつもコメント感謝申し上げます。
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プロフィール

 冨樫 通明  (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)

Author: 冨樫 通明 (仙台市在住 ・ ぎゃらりー風の森代表)
NPO法人和の学校会員、和の学校仙台分校会員。
茶道を中心とした「和の文化」の実践と普及・拡大に取り組んでいます。
昔からあった美しい東北の四季、それを彩る催しなどもお届けしていきます。

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